たまたまの集まりで、初対面の友人の友人から、この展に潜む「自然と人間の関係」に興味をそそられ、展示が終わる前に一度行ってみたいと思ってました。
ちょうど気分転換で、同じ大学院出身の先輩と一緒に行きました。
あまりにもボリュームのある展示会で、二人がバラバラになって見ることにしました。古今東西の展示品ってだけあって、なかなか魅力的な宣伝フレーズに似合った展です。
現代アーティストにあまり馴染みのない私でさえ、展覧に入って、間もなく、入り口すぐそばの杉本博司さんの『スペリオール湖、カスケード川』写真にすっかり魅了されました。
半身大の写真前に立往生。
ほかにいくつか面白いと思った展示品がありました。小林秀雄をはじめとする文化人と親交のあった青山二郎コレクションの李朝白磁壺も興味深かったです。
幾何学のセクションに入ると、選ばれた200点のジャン=バティスト・ロメ・ド・リールの結晶模型も一個一個形の違いを興味津々に見てましたw
次のセクションで見たエルズワース・ケリーの子供っぽい筆致や、一輪のカラーがまるで無愛想に壺に挿したロバート・メイプルソープの「官能的」な写真も印象に残りました。
見終わった時に、先輩に好きな展示品を尋ねたら、インスタレーションで、オラファー・エリアソンの虹と、大巻伸嗣の布と風の共演と答えてくれました。
ここで思い出を羅列しただけで、展示品を見た感動が甦られ、満足な気分になってます!
一見、茶と関係ないけど、実際にはアート・工芸の要を伝えるこの展は、茶にも大きなヒントを与えてくれました。
そこまで感動しなかったけど、展示会にあった長次郎の茶碗を連想しましょう。
シンプルなかたちは、普遍なかたちでもあり、不変なかたちでもあります。長く伝わってきている美です。
茶をアートの一環として見なせば、いかにその中から不変な原則を見出すかは、この展の何気ない美意識に通底した部分がありました。
一回の美術館めぐりでは到底話しきれないことだと思います。この展示会で気になってた人や物に、またその背景や関連書を深く探る必要があります。
李禹煥『余白の芸術』や杉本博司『苔のむすまで』を連れて帰りました。そこから広がる世界も、楽しみです。
□シンプルなかたち展 2015年4月25日(土)-7月5日(日) at森美術館(六本木ヒルズ森タワー53階)

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