前から観たいと思っていた映画。
「12人の怒れる男」
落語で言えば古典落語と言っていい位置づけであろう。
1959年アメリカ。
陪審員制度がこの頃からアメリカにはあって、スラム街での父親殺しの裁判を受けて見知らぬ12人が有罪・無罪を議論する。
12人全員が一致しないと結果は出ない。
つまりは部屋から出られない。
(陪審員不一致という結論もあるらしいが・・)
どうやって撮ったのだろうという長まわしのシーンが多い。
よくは知らないけど、この演目で舞台もかなりあるらしい。
なるほどと思う。
凶器のナイフ
老人の証言
女性の証言
アパートの立地・間取り
電車の音
アリバイ
完璧な証拠と思われていたものが、ひとつずつ崩れていく。
そして最初は1人だった無罪派がだんだん増えていく。
最初から最後までほぼこの部屋の中。
裁判所の建物以外のシーンはない。
それでもこの緊迫感。
場面転換なしでここまで観させるというのも名作と呼ばせる所以だろう。
また、わずか92分の上映時間の中で12人のキャラクターがちゃんと立っている。
これもこの作品の凄い所だと思う。
60年以上も前の作品だけど、ものすごく惹きこまれた。
後世に伝えたい作品。
三谷幸喜の、この映画をオマージュした「12人のやさしい日本人」。
これも観てみたいけど、どうもサブスクになさそうなんだよな・・。