おらが町のチーム。ヴァンフォーレ甲府。

あの天皇杯制覇から約1年半。

夢のようなステージでの、夢のような交流、そして懸命の闘いがあった。

 

ACL出場を罰ゲームという論もある。

たしかにフロントスタッフにとってはそれはそれは大変な仕事だっただろう。

小瀬が使えず、スタジアムを借りるところから。

運営計画や遠征の手配なども想像を絶する仕事量だったと思う。

 

1勝もできないんじゃないか。

成績によっては日本の枠を減らされる可能性もある。

 

戦前、そんなことも言われていた。

 

8月

組み合わせ抽選。

メルボルン、浙江、ブリーラムと同組になった。

このためにパスポートを取っていたので、1試合くらいはどこかへ応援にいきたかった。

だけども仕事の都合でどれもいけず・・。

 

第一戦 アウェイ メルボルン

初戦は、こっちがシーズン中、あっちがシーズン前という事もあって、戦術完成度の面でアドバンテージがあった。充分に勝てた内容だったが、ドロー。歴史的勝ち点1。

 

第二戦 ホーム ブリーラム

#甲府にチカラを と銘打った渋谷・新宿の大看板。

これにJサポが反応してくれた。賛否あったみたいだが、こんなん賛成に決まってる。

さまざまなユニを着たJサポが甲府にチカラを与えてくれた。

その中で、90分の元希の劇的ヘッドで勝ち点3をゲット。

 

第三戦 アウェイ 浙江

さすがにそううまくはいかない。ビザの関係など非常に難しい中、約100人の甲府サポが中国に乗り込むも、試合は0-2の完敗。

 

第四戦 ホーム 浙江

この試合の甲府は強かった。国立のエラい席からの観戦。

ウタ、ジェトゥ、マサ、鳥海の4ゴールで快勝。

Jサポの力を借りて、しかも結果を出したことで注目度も俄然上がった。

ここでなんと甲府がグループ首位に立つ。

 

第五戦 ホーム メルボルン

首位攻防の大一番。シーズンインしたメルボルンは初戦とは違った。

しかし甲府も一歩も引かない。

あの純真の同点ゴールは感動して震えた。3-3ドロー。

 

最終節 アウェイ ブリーラム

大挙してタイ入りした甲府サポの数、なんと約800人。

DAZNで見ていても甲府の歌が聞こえる。

前半3-0で折り返し、余裕かと思っていると、あれよあれよの2失点。

この試合から復帰した河ちゃんのスーパーセーブが炸裂し、勢いを止めた。

 

浙江がADTに同点に追いついたことで、甲府がグループ首位通過!

自分はいけなかったけど、この日のブリーラムでの祝勝会はさぞ盛り上がったことでしょう・・。

 

チームはこれで解散。

新チームに。

 

ACLノックアウトステージ進出したとはいえ、環境、財政面はクラブ運営に重くのしかかる。

元希、凪生、ハス、亮太朗、詩音、クリス、三浦など、ACLでもリーグでも主力だった選手が次々と移籍してしまう。

 

専用スタジアム、専用練習場、給料、カテゴリなど、足りていない部分は多い。

もちろん今すぐに解決できる問題じゃない。

だけども、この露出度、功績でそれが前に進む気配がないことが悔しい。

 

ただ、新加入選手は楽しみなメンバーが揃った。

退団濃厚と言われていたウタカとマンシャも残ってくれた。

最初に契約更新を発表した鳥海が今年は10番を背負う。

なんとあの、アダイウトンも来てくれた。

 

しかもラッソもアダも、新体制発表会から清水・宮崎キャンプすべてに参加。

外国人助っ人は普通宮崎の途中くらいからゆっくり来るものだけど、このACLがあることでそうしてくれたと思う。

 

ノックアウトステージ

1stレグ アウェイ 蔚山

残念ながらこれも仕事でいけなかった。

ここにも甲府サポは大挙して後押しにいった。

序盤、積極的に前に出る甲府の勢いでチャンスを作る。ラッソの1対1、アダの飛び込み。

このチャンスをモノにできていたら展開は変わっていたと思う。

 

相手はチャンスを決めてきた。

最終スコアは0-3。

ただ、まったく歯が立たない感じでもない。

チャンスの数では甲府も負けていない。

 

2ndレグ ホーム蔚山

体調最悪な中、這ってでも行くと決めていった国立。

指定席であったことが幸いし、待機列の行列がなかったことは助かった。

あきらめない甲府サポ。そしてこの劣勢の中、これまでのどの試合よりも観客数が多かった。

 

甲府イレブンは果敢に攻めた。

いくらいなされても、走るのをやめなかった。

先制されても全くひるまず、前からプレッシャーにいく。

シュート数27本。

しかし、これは入っただろというシュートをことごとく相手GKが止める。

韓国代表のキーパーのレベルを思い知らされた。

Jリーグに複数いる韓国GKを押さえての代表正GKなのだからそりゃすごいだろうけども。

 

そんな中、88分に決まった三平のヘッドは魂が揺れた。

この1点は甲府を後押しする全員に対して、サッカーの神様がくれたご褒美だったのかもしれない。

 

1-2。

勝てはしなかった。

 

だけども、この試合の終了の笛はすがすがしいものだった。

万雷の拍手が物語っている。

これは現地にいた者でないとわからないと思う。

 

あの天皇杯制覇からの1年半。

ACL開幕からの半年。

夢のような時間だった。

だけど、決して夢ではなかった。

 

おらが町のチームは、ヨーロッパのサッカー誌でも特集が組まれるくらいの快進撃を見せた。

そしてそれは試合の成績だけではない。チームとしてのカラーやJサポ連合など、このストーリーには語るべきポイントがいくつもある。

 

そんなチームを応援している者として誇りに思う。

最高だぜ甲府!

 

これからはリーグ戦が始まる。

J2の闘いだってそりゃ甘くない。

だけど、ここで一段意識の変わった選手、クラブ、サポーターの力をリーグで示したい。

そしていつか、専スタを山梨に。

 

J1の開幕戦をそこで。

生きてるうちにそこで応援したいなぁ・・。