東京出張。

もちろん仕事目的だけど、このシリーズで狙っているスポットがあった。

まずは鶯谷から吉原にかけての地域。

ここに参拝したいと思う神社が複数あった。

 

それと浅草。

ナイツのラジオ、浅草キッドとかの話が耳に入ってくると、実際その場に立ってみたくなる。

怖いもの見たさで東洋館とか行ってみたい。

 

15日

日曜日の移動。

早めに出て汐留のホテルに荷物を置き、新橋から鶯谷へ。

 

ここに来たかった理由は、元三島神社と三島神社。

9月に参拝した、しまなみ海道の大三島にある大山祇神社のご分霊を祀る神社。

 

地図は駅前すぐという所を指していたが、これがまたすごい所で・・。

まわり全部ラブホテルという(苦笑)

神社が先にあったことは当然だけど、よくその至近距離に建てたな。

 

  

なんといっても御朱印の文字が達筆。

寿老神と書いているが、表記は正確には神ではなく人で、七福神の1人。

 

そこから徒歩で住宅街を歩く。

 

続いて三島神社へ。

  

参拝して社務所で御朱印をお願いすると、アメを3つくれた。

 「福」と「幸」と桜

 

続きまして。

鷲(おおとり)神社へ。

こちらはかなり煌びやかな構え。後ろにスカイツリーが見える。

  

元三島神社と同じ寿老人の御朱印だけど、こちらは正しい表記。

拝殿に大きな恵比寿様がいて、なでるとそこが良くなるという。

 

さて。

本日のメインのスポット。

東京・吉原

この言葉の響きはなんとも言えないものがある。

もちろん初めて足を踏み入れるけど、なんといっても浅田次郎の小説で昔の吉原が描かれる場面を読んできた人間にとっては、そこは単なる風俗街ではない。

 

天切り松闇語りの一作にあった話が忘れられない。

スペイン風邪が流行ったという描写があったから、大正時代の話。

弟が花魁の姉さんをおぶって大門を出ていくというそのシーン。

文字で読んだだけだけど、その悲哀が心に響く。

 

マップに導かれ、そのゾーンに入る。

するとまずは、弁財天が。

このあたりは昔大きな池だったようで、関東大震災の時には火災から避難してきた多くの人がその池で息耐えたという。

 

そして、吉原神社へ。

 

たまたま通りがかった観光客用の人力車がいい構図を生んでくれた。

ここがねぇ・・。

 

想像するのは勝手だからたくさん想像させてもらったけど、その時代時代の遊女たちが親元を離れてここで生活する中で、唯一心落ち着ける、本当の自分に戻れる場所。

 

食べるもの、住むところ、ここに来る前と比べればそれはいい生活をさせてもらってる。

だけど弟はどうしてるだろうか。おとうちゃんおかあちゃんは・・。

私は、名前を変えてしまって、人も変わってしまった。

もう家には帰れない。私じゃなくなってしまったのだから・・。

 

みたいな感じ?

 

狭い境内だけど、人も少なかったのでしばらく居させてもらった。

昔の遊女もそうしていたのだろうか。

 

まわりの建物を見渡すも、残念ながら昔ながらの遊郭を想像できるものはない。

小説の中では、縁側で汁粉だったかをすする人がいたり、浴衣で夕涼みをしたり・・

 

花魁道中はここを通ったのだろうか。

二階の窓から鈴なりになって見物したりしたのも、この辺の建物だったのだろう。

その同じ場所にいることがなんとなく感慨深い。

 

まぁ、想像するのは自由なんで。

 

そのまま神社をまっすぐ行くと、両側にそういう店がある。

日曜の昼間で、人はあまり歩いてなかった。

 

「吉原大門」

この響きも、その外と中で世界が変わる、何とも言えない響き。

昔は吉原への出入り口はここだけ。向こうに抜けることはできなかった。

大正初期の吉原大門の図。

この大門が関東材震災で崩れてしまったあとは、新たに建てられていないという。

 

現代。

今はなんにも残ってないけど、道のカーブを見ると同じ場所だとわかる。

 

「見返り柳」

ネットでいろいろ探してはみたが、どうもこれというのが見当たらない。

浮世絵的な絵がたくさん出てきたけれど、吉原は元々はここではなかったため、その時代の場所のものかもしれない。ということは見返り柳も元の場所にもあったということか?

 

 

しかしおそらくこれは、現代の碑の残る場所の構図であると思われる。

道が曲がっており、この先に大門があるような気がする。

 

いやー。

自分が立っている場所、わずか100年前は全然違う感じだったんだろうなと。

 

さて。

あとは・・

矢吹ジョーがここら辺にいるはずなんだけど・・。

 

地図を見ながら歩いていると、気になる古い建物が。

天麩羅と右から書いてある。

これは相当歴史がありそうだ。

調べてみると「土手の伊勢屋」という老舗の天ぷら屋。

創業1889年(明治22年)。128年続いているという。

 

例によって関東大震災で崩れたが、その前はここに川が流れており、その土手に沿うように建っていたことから「土手の伊勢屋」というらしい。

 

時間はもう昼過ぎだったし腹ペコだったから是非にと思ったが、行列がかなり長く、しかも店先に「本日分は終了いたしました」と張り紙があったので断念。

 

いた。

矢吹ジョー。

似てねー(笑)

 

しばらく歩くとデニーズがあったのでそこでいいかと入ると、なんとそこも混雑。

ならばと。

 

 

デニーズの向かいにあったサンドイッチ屋さんでテイクアウトし、公園で食うことに。

これがまた偶然にも・・すげーうまかった。

 

サンドイッチを食べようと蓋を開けると、ハトがバタバタっと20羽くらい寄ってきた。

この状態であげると大変だ。食べ終わるころにちょっとだけあげて帰ろうと思い、食べているとだんだんハトが減っていく。

 

キミ、最後まで粘ったかいがあったね。

少しパンをちぎってあげてきた。

 

雨が降ってきた。

汐留に帰るにはどうしたらいい?

 

ここらへんには鉄道の駅はないらしい。

東京でもそんなとこあるのか。

 

バス停があった。

「池袋行き」

遠ざかるな。

 

まぁでもとりあえず動かないと。

乗ってから路線を見る。

王子で降りると帰れそうだ。

 

ディープ東京満喫。

やっぱなんだろ、想像する、イメージするって大事だね。

行動だけ見れば、ただ長い距離を歩いて神社参拝しただけだもんね。

 

この歩きを意味のあるものにしてくれた大山祇命、浅田次郎、梶原一騎に感謝。