グラスワンダー系の歴史を振り返る企画、今回は2015年生まれ世代の6位以下から、注目馬をピックアップして紹介します。トップ5以外の注目馬ということなので、やっぱり地方競馬の活躍馬を取り上げることが多くなりますね。ということで、まずはこの馬から。

 

8位 ヒダルマ 3488万円

父:スクリーンヒーロー 母:ラストパートナー(母父:エリシオ)

主な戦績:摂津盃(園田)

 

火だるま。炎上❔と思いましたが、『火だるまのような闘争心』が名前の由来とのことでした。栗東:森厩舎所属で、2歳7月にデビュー。デビュー戦は函館芝1800mで5着という結果でした。2戦目は3着と善戦するも、そこから4戦はもどかしい結果が続きます。

 

2歳の11月、7戦目に初のダート戦に出走したところ3着と好走。以降はダートに的を絞ることになります。しかし、それでも勝ち切れないレースが続き、15戦目のレースで競走中止になってしまいます。ここで、中央での復帰を諦め、園田競馬に移籍することになります。しかし、3歳5月までに15戦というのは凄い。森師の執念と厩舎スタッフのケアが適切だったのだろうなと感じます。

 

そして、移籍したのが園田の柏原厩舎。3歳の10月、C2(1400m)での地方デビューになり、2着に1.1秒差の楽勝でした。ここから、この馬の怒涛の連勝が始まります。何とここから11連勝、全て園田の1400m戦で、C2クラスからA2クラスまで勝ち上がります。A2クラスでも2着に9馬身差を付けての圧勝、正に鎧袖一触の勢いです。


そして迎えた重賞初挑戦は4歳夏の摂津盃。初の重賞挑戦、そしてここに来ての1700mという距離と不安要素は多くありました。ヒダルマはいつものようにハナを主張し、先頭でレースを進めます。そして直線では2着にクビ差まで迫られましたが、何とか先頭のままゴール。園田デビューから怒涛の12連勝で重賞初制覇を果たします。

 

12連勝して重賞初制覇、しかも適性距離よりも長いレースをギリギリ勝ち切ったということで、馬の負担も大きかったのでしょう。8か月の休養明け後は、連勝時のような勢いはとうとう戻りませんでした。翌年の摂津盃はジンギの2着に来たものの3馬身差の完敗、2着には何回か来るものの勝利は1回のみでした。園田所属で8歳まで走り、2023年に引退しました。

 

戦績を振り返ると、結果的としてピークの時期にしっかり重賞を勝ち切ることができたということなんですね。改めて陣営の手腕を評価したいと思います。そして、『ヒダルマ』という名前そのままの12連勝だったなと思います。

 

 

10位 サツキワルツ 2819万円

父:アーネストリー 母:パンテール(母父:ダンスインザダーク)

主な戦績:3歳未勝利(中山)

 

この世代のアーネストリー産駒出世頭はこの馬です。3歳2月に芝2000mの新馬戦でデビューし4着。その後は好走するもなかなか勝ち切れず、9月に9戦目でようやく勝ち上がり。良い脚で差してくるも届かず、先行すると末が甘くなり、1勝クラスではなかなか苦しいということで、ダート路線に転向します。しかし、ダートでも同様の競馬が続き、とうとう勝ち切れずに引退ということになりました。アーネストリー×ダンスインザダークという血統イメージそのままの馬です。

 

 

11位 アカツキジョー 2620万円

父:グラスワンダー 母:スルーザシーズン(母父:スキャン)

主な戦線:500万下(阪神)

 

この世代におけるグラスワンダー産駒の出世頭です。デビューして2戦は芝を使うも結果が出ず、ダート路線に転向します。ダート短距離に転向してからは成績が安定し、その後2戦で勝ち上がり。1勝クラスも4戦して勝ち上がります。しかし、やはり2勝クラスは層が厚く、2着には一度来たものの、厚い壁に跳ね返されてしまいます。6歳時には大井に移籍するものの、当地でも結果を残すことが出来ず、7歳で引退となりました。

 

 

16位 チェゴ 

父:スクリーンヒーロー 母:エムワイスカレット(母父:フレンチデピュティ)

主な戦績:ラブミーチャン記念(笠松)

 

2歳6月に門別競馬場でデビューし1着、デビューを飾ります。その後4戦してから笠松競馬に移籍、移籍緒戦のラブミーチャン記念(重賞、ダート1600m)でいきなり重賞初勝利を飾り、そのままの勢いで暮れのライデンリーダー記念(重賞、ダート1600m)も制します。このあたり、陣営のマネジメントが上手いな、と感じますね。

 

その後は門別、南関東、また笠松と移籍し、各地で勝ち星も挙げています。金沢の重賞、日本海スプリントにも出走し2着に入るなどの活躍もしています。5歳11月まで走り40戦10勝、タフなのも能力ですね。

 

 

ということで、2015年生まれ世代、上位5頭以外の注目馬を紹介しました。どの世代でもそうなのですが、こういう立ち位置の馬たちのことを調べるのは楽しいな、と思います。次回は2016年生まれ世代、上位の馬がまだ現役なので、紹介するのはしばらく後になると思います。不定期更新企画ですが、次回をお楽しみに🐎