ドバイターフとサウジカップ、2つの海外G1を勝利した稀代の逃げ馬パンサラッサが、ジャパンカップ(12着)を最後に引退することになりました。通算成績は27戦7勝、重賞は前述のG1の他、中山記念、福島記念と4勝しています。


パンサラッサの逃げといえば、レース前半で飛ばしてセーフティリードを確保し、そのリードを守って逃げ切るという唯一無二のものでした。あれだけ離して逃げられると、後続の騎手達は自分達のペースが実際はどうなのか判断がつかなくなるのではないでしょうか。また、パンサラッサを捕まえに行くと、更に後続の目標にされるため、後続集団の仕掛けが遅れてしまう、というのもプラスに働いていると思います。



私はモーリス産駒の中でも特にジャックドール推しなので、どうしてもパンサラッサと比べてしまいます。スタイルの違う2頭の逃げ馬であるジャックドールとパンサラッサとの対戦は3回あってジャックドールの2勝1敗となっています。


 22年札幌記念(G2) ジャック1着、パンサ2着

 22年天皇賞秋(G1) パンサ2着、ジャック4着

 22年香港C(G1)  ジャック7着、パンサ10着


とはいえ、香港カップは2頭とも負けみたいなものですし、札幌記念は勝ったとはいえG2。大目標の天皇賞秋で先着されてしまったので、むしろパンサラッサにしてやられた、という印象が強いです。


天皇賞秋はねぇ…。ジャックドールは本来のスタイルを貫けなかったレースだと思うんですよ。ジャックドールはパンサラッサとは違い、レース後半にロングスパートするスタイルの逃げ馬です。本来なら2番手に付けて、残り1000mからペースアップ、なんですよね。もっとも、そうしたらジャックドールが勝っていたと言いたい訳でなく、むしろもっと早いタイムでイクイノックスが勝っていた可能性が一番高いとは思います。


ジャックドールとパンサラッサ。お互い持ち味をフルに発揮した勝負をG1の舞台で見たかったな、と改めて思いました。


パンサラッサは種牡馬入りします。何と言っても海外G1複数勝ち、しかも芝ダート両方でのG1勝ち、さらにサンデーサイレンスの血を持たないため配合の自由度が高い、などアピールポイント盛りだくさんですから、良い繁殖牝馬がたくさん集まることでしょう。ジャックドールも負けない人気種牡馬になれるよう、もう一花咲かせてもらいたいですね。


何はともあれ、パンサラッサが無事に引退、種牡馬入りできるのは大変めでたいことです。種牡馬としての第二の戦いにも注目していきたいですね🐴