感謝の気持ちは期待すんな

「ボランティアってなんなんだろうね。究極の自己満足かな」

一緒に床下ヘドロだしのボランティアをやったひとが疲れた顔でつぶやいていました。

床下にもぐってのヘドロ除去は思った以上にたいへんな作業で、とくに年配の方や普段カラダを使わないきれいな職場勤務の仕事の人にはことさらきつかったのでしょう。
俺は今までガテン系の仕事ばかりなのでそうでもなかったけど、一日フルで全力でやったらバテたと思います。

やりながら「これって仕事で請けたら日給1万はもらえるな」、誰もが頭をよぎったことでしょう。
でもボランティアは東北までの交通費も滞在費も全部自腹です。
たいへんな作業内容なのでせめてお礼の一言もほしいと思うのが心情でしょうが、俺はその考えは違うと思います（ちなみに俺が行ったお宅の住人のおじいさんはドリンク剤をくれて一緒にやって雨の中見送ってくれた）。

使命感でも同情でもなんでもいいんだけど、自ら思いたって被災地ボランティアに参加した時点で完全に自分の勝手。
頼まれてもいないのにやってるんだから感謝なんて期待してはいけないのかなと。

被災地はまだまだ手のつけられない現場がたくさんあります。
人力で地道にやる以外ない作業も多いです。
物見遊山気分でもいいと思います。
ボランティア一日、東北観光一日でもじゅうぶん。
復興に労働とお金で貢献したことになりますから。
そしてあの状況を生で見ることはいい勉強になります。