俺が飲食業をやめたワケ その5 | 好感度ゼロ上等のクセが強い不動産ブログ

俺が飲食業をやめたワケ その5

リーマンショック以降、いったんは世間に迎合する形でコストカットや価格改定に取り組みましたが、あまりにひどいデフレぶりに低価格化競争から脱落した俺。

一度下げた価格も「堂々と適正価格でやればよい」と元に戻しました。
それでもしばらくすると客足は徐々に戻り始めました。
ただ、リーマンショック以前に戻ることはなかったですね。

恐ろしいのは以前なら売り上げの悪い日が3日も続けば大慌てで店のディスプレイやら接客の仕方やらメニューの内容、書き方まで見直して改善に取り組んでいましたが、悪い売り上げに慣れてしまって、さらにあまりに悪い状況の変化に無力さを感じ、あきらめすらも感じてしまっていたことです。

商売というのは儲かっているほうが楽で、悪いときほど労力が多くかかり実入りは少ないものです。
しかし、大先輩たちに聞くとここまで悪いことはかつて前例がなく最悪だとのことでした。
俺自身、多少の努力で救われる範囲を超えている不景気だと思いました。

一応、10年以上この業界で食っているので、直感的に今までのやり方ではもう以前に戻ることはないと理解していました。
少なくとも俺がやりたかった業態はもう旬を過ぎて衰退期に入ったことをはっきり実感しました。

では、自分がやりたかった業態をあきらめて時代に合わせた実利優先の店に変えてまで飲食業界にいたいのか、そう自問自答するようになりました。

続く