まつたけ秘帖 -5ページ目

まつたけ秘帖

イケメン、男前限定のBL映画&ドラマ感想記!

 台湾の花蓮市。小学生の頃からの親友同士である高校生のジェンシンとショウヘン。ジェンシンは転校生の少女ホイジャと親しくなるが、彼が本当に好きなのは...
 ボーイズラブ大好きな腐の心を切なくキュン&萌えさせる、期待通りの作品でした。男同士の恋愛やセックスなんてオエッな人は、無理して観ないでね♪
 ジェンシンとショウヘン、ホイジャの複雑で屈折した感情と恋心が、とても繊細に緻密に、かつ清爽に描かれています。3人のキャラや言動、ルックスも個性的で魅力的です。


 ジェンシンは、優等生で内向的な文系の美少年(受)。ショウヘンは、劣等生だけど明るい体育会系のマッチョ男子(攻)。ボーイズラブの基本は守られてます。二人の想いと行動が、友情のエリアをはみ出しそうで、なかなかそうはならない。それがもどかしくて切ない!つっても、二人の仲の良さって誰が見ても、はじめっからラブラブのカップルなんだけどね。
 ジェンシンが熱い恋心と欲望を必死に抑えてるのに、何も気づかないショウヘンは、無邪気にジェンシンの想いを煽り募らせることばかりする。ああ~残酷!身も心も悶々、ちょっと精神的なバランスも崩しかけるジェンシンが、痛ましい。好きで好きでどーしようもない!それを口に出したら、気づかれたらショウヘンを失ってしまう、でも...つい、または故意に、あふれる想いの一滴をショウヘンへ落とすジェンシンの心情と衝動が、印象的なシーンや台詞で表現されています。


 私が面白いと思ったのは、ジェンシンよりもショウヘン。彼って、謎なんだよなあ。わからない。見た目は完全にその気なんかないバリバリのノンケなんだけど、彼ってある意味、ジェンシン以上に危ない。いつでもどこでも、ジェンシンがそばにいないとダメで、べったり離れないし。どう考えても、それは明らかに嫉妬&独占欲だろ?な言動や表情をするし。見方によっては、ショウヘンの友情を逸脱したlove 密度のほうが、濃くて強い...


 んで、ワタシ個人の腐的考察(妄想?)。
 ジェンシンはショウヘンに、激しく恋をしていたんだけど、それはかなり肉体的な欲望が強い。ジェイシンが悩まされるのは、だいたいがショウヘンの裸を目の前にしたり、ショウヘンとスキンシップを交わしたりといったシーンばかりだったし。行きずりの男とエッチしちゃったり、ココロよりカラダの苦しみが深刻っぽい。
 ショウヘンはジェンシンを、精神的に深く強く愛してたんだろうなあ。それが肉体の欲望につながらないだけで。幼い頃、自分を孤独から救ってくれたジェンシンは、ショウヘンにとっては絶対的、唯一無二な安心と信頼。ベタベタとジェンシンについて回り、彼の苦悩を察知できず一喜一憂するショウヘンは、まるでママを慕う小さい純真な子供です。
 終盤になって、ついに友情の垣根を越えてしまう二人。そうしたのはショウヘンのほうだったのが、その時は何で?!と衝撃的&不可解だったけど...


 ゲイではないショウヘンがジェンシンを抱いたのは、そうしないとジェンシンが自分から離れてしまうと恐れたからでは。一心同体、魂の半分側みたいな存在のジェンシンを、自分につなぎとめるための咄嗟の、決死の行為だったのではなかろうか。ジェンシンは一線を越えないようにすることで、ショウヘンは一線を越えることで。いつまでもそばにいたいという想いは同じでも、そのために守ることと壊すことに考え方も手段も別れてしまった二人が、とても皮肉で悲しい。
 親友でも恋人でもなくなった二人が、激情をぶつけ合う海岸でのラストシーン。そこにもやはり、互いに望んでいるものとは違う、かみ合わない微妙なズレが感じられて、いろいろあったけどエッチして気持ちを確かめ合ってハッピーエンド♪な、お気楽ボーイズラブものとは違う余韻を残します。あの後、二人はどーなっちゃったのかなあ。親友に戻れたのか、それとも恋人になれたのか。私は、どっちでもない気がする...


 ボーイズラブ世界において女は普通、単なるアテ馬ぐらいしか存在意味がないのですが、ホイジャはちょっとユニークなキャラでした。彼女もまた、ジェンシンとショウエンのどっちを愛してるのか謎っぽかったから。またYAOIの妄想的推測ですが、たぶんホイジャは愛するジェンシンと二人で、ショウヘンを共有したかったのでは?
 主役の俳優二人が、ナチュラル&リアルで、すごく良かったです。
 ジェンシン役のブライアン・チェン。デリケートだけど、ぜんぜんオカマっぽくもゲイっぽくもないです。シャープでクールなイケメンです。その思いつめた表情、狂熱を帯びた目つきは、ホントに相手役に恋してるのではと錯覚させるほど、真に迫ってます。


 ショウヘン役のジョセフ・チャン。岡村隆史を精悍ワイルドにしたみたいな顔?美男でははいけど、めちゃくちゃ男らしいです。高校生役にしては、不自然なほど♂フェロモン放出してます。やたらと脱ぎます。常に汗でエロく濡れてるムッチムチの浅黒い肉体美は、ジェンシンよりもゲイの観客にアピってるみたいです。


 難を言えば、二人とも老けてるわけではないけど、大人っぽいというか、少年というより青年に近い感じなので、あまり蒼々しさはないです。
 いちばんの見所?である、ブライアンくんとジョセフくんが頑張った、スッポンポンのラブシーン。ドキっとするけど、そんなに扇情的ではないし、もう終わり?と拍子抜けするほど短いです。
 レスト・チェン監督の、透明感と陰影ある映像センスは、なかなかのもの。次回作も期待できます。
 田園と海が静かに美しい花蓮市。花蓮って、きれいな名前の市ですよね。
 

 

 腐女子な映画ファンの間では、BL映画の最高傑作、神作品として語り継がれている名作。そして、冷血人間の私が、思い出しただけで涙腺が緩んでしまう映画。私にとっては、胸の奥深くに大切にしまっている宝石のような映画なのです。時折そっと取り出して、甘い感傷に浸ったり。思い入れが強い映画は、返って思うように語れないので、できるだけ簡潔にmy 愚見を述べてみます…
 民主化の進む中国・北京。バイセクシャルの実業家ハントンは、ランユーという貧しい学生を金で買いセックスをする。純真なランユーに惹かれ、彼を恋人にするハントンだったが…
 天安門事件の前後10年に渡って、静かに深く、そして熱く繰り広げられる、男二人のラブストーリー。とにかく、主人公ハントン&ランユーの個性と、それらを演じた男優たちが魅力的です。

 初セックスの相手である男ハントンを、一途に純真に愛するようになるランユー。彼が、いかにも男娼めいた美青年ではなく、見るからに田舎くさい、素朴で無垢な感じの男の子なのが、映画を気色の悪い腐な妄想話にしていません。同性愛者でも、デフォルメされたオカマっぽさは全然なく、でも年上の男の愛を掻き立てる純情さや優しさ傷つきやすさ、内気な笑顔、そして甘えん坊っぽい仕草、ウルウルした眼差し、捨て犬の悲哀にも似た表情に滲み出す、ごく自然な、図らざる媚のようなものが、ランユーをとても可愛い男の子にしています。『こんなに好きだなんて、変なのかな』…愛する男に抱かれながら、そうつぶやくランユーの、常に痛みの伴う幸福が、胸に切ない。

 ハントンもまた、魅力ある男。金持ちのクールな両刀使い享楽主義者だった彼が、ランユーへの愛に戸惑い悩み、そして腹をくくって愛を貫こうとするまでの葛藤が、きめ細やかに描かれています。愛に無邪気なランユーに苛立ち冷たくしても、隠せない殺せない激しい愛情が、悲しくも美しい。それにしてもハントン、女ともヤれるのはいいとして、男の趣味の守備範囲が広すぎて笑えた。ランユーみたいな純朴イモ系を囲ってるかと思えば、中山きんにくんみたいなマッチョ男子と浮気したり。

 一気に燃え上がる愛ではなく、打ち消そうとしても燻る、熾火のような愛。腐れ縁、と言ってしまえばそれまでですが、一緒にいたら決して安穏には生きられないと解っていても、こいつでないとダメなんだ!な、呪縛的な絆を共有できる相手と出会えることは、何て素敵なんだろう。ひょとしたら、ハントンとランユーの愛は、フツーの男女の恋愛では望むべくもない、やはり夢のようなお話なのでしょうか。ホモだとか、ゲイだとか、そんな特殊性が二人から感じられないのも、神様に選ばれた者しか到達できない、男女の範を超えた魂の愛の、この世とは相容れぬ儚さ・崇高さゆえでしょうか。

 ランユーを大胆(すぎる全裸!ぜんぶ丸見えじゃん!)に、繊細に演じたリィウ・イエ。純朴で薄幸そうな顔も、190cm近くありながら威圧感ゼロな長身も、可愛らしいまでに野暮ったい。デカいけど、その風情、その悲しそうで愛に飢えた表情は、まさに捨てられた子犬そのもの。これは演技?!と信じがたいほどの無邪気な無垢な笑顔。ランユー、いや、リィウ・イエ、まさに天使です。

 リアル&ナチュラルな演技で、観客を瞠目させることが得意なリィウたんですが、この作品でもそうなるシーンがたくさんあります。私が特に好きなシーンは、冒頭のエッチの後でハントンに体についた精液を拭いてもらってるシーン、ハントンがランユーにマフラーをかけてあげるシーン、ハントンに別れを告げられカっとなってズボンをおろし、ご主人様ご自由にどうぞ!と精一杯の皮肉を言うシーン。リィウたんが可愛すぎて切なすぎて萌え度MAXです。心臓に負担がかかるほど胸キュンキュンさせられます。
 それにしても。愛する男を縛らない、追っかけない、でも戻ってきたら何も言わず受け入れるランユーの優しさ、けなげさ、忍耐、自己犠牲は、女も見習わねばなりません。でももしランユーが女の子だったら?単なるバカ女じゃん!と冷笑するようでは、運命の愛には出会えないのです。

 香港映画でも活躍する中国のスター、フー・ジュンもハントンを好演。初めてこの映画を観た時は、ワタシ的には“精悍になった船越A一郎”だったフージュン、あらためて観たら若くてカッチョE!スーツがすごく似合ってるのも高得点。ナニハトモアレ、一糸まとわぬベッドシーンなど、フージュンとリィウたんの並々ならぬ役者魂には、惜しみなき賞賛を送らずにいられません。
 DVDの特典インタビューのリィウたんも、素朴で内気で純真そうで、瞳をキラキラさせながら喋ったり笑ったり、感動的なまでの可愛らしさです。ちなみにリィウたん、北野武監督の作品が好き好き大好き!らしいです。

 

 アメリカのドラマシリーズ「フェロー・トラベラーズ」を観ました(^^♪全8話。
 共産主義者と同性愛者の摘発が激化する50年代のアメリカ、ワシントン。国務省の役人ホークは、議会職員の青年ティムと出会い、二人は恋に落ちるが…
 ドラマ化のニュースを耳にした時から待ち遠しくてたまらなかったので、ついに!やっと!と感無量。世界中の腐女子(&ゲイの)映画・ドラマファンの多くが、きっとそうだったに違いありません。内容といい俳優といいラブシーンといい、期待と予想以上にBLの魅力を凝縮&濃縮したドラマに仕上がっていて、ライトでスウィートなファンタジーめいたBLが好きな人には、胸やけ胃もたれがするドラマかも。私は堪能させてもらいました!観終わった時は、かなりオナカイッパイ感と疲労感がありましたが。毒にも薬にもならない、何の挑戦も衝撃もない無難な映画やドラマでは味わえない満腹感と疲れは、稀有で貴重な体験です。


 このドラマの見どころは、やはり何といっても英米2大イケメンカミングアウト俳優、マット・ボマーとジョナサン・ベイリーの競演でしょう。
 今や芸能人が同性愛をひた隠しにする時代ではなく、堂々と正直にカミングアウトし、ゲイだからこその深みのある演技を武器にしてる俳優も多い。男盛りの円熟期にあるカムアウト俳優といえば、代表的な存在なのがベン・ウィショーとアンドリュー・スコットでしょうか。二人とも今や名優の域。ベン子さんとアンスコはイケメンではありませんが、マットとジョナサンはすごいイケメン。女にもモテモテ、でも女には興味なし、抱いてくれない、なんて尊いような、残念なような。マットもジョナサンもカミングアウト前は、さぞや女たちに困惑迷惑したことでしょうね。


 マットはほんと端正な美男子で、死角なしの美貌。でも冷ややかなロボット美男ではなく、優しそうで可愛い童顔。女っぽいところとかキャマキャマしいところなど微塵もなく、すごく男らしいところは腐受けよりもゲイモテしそうな魅力。このドラマでも、まさにオス♂!なフェロモンだだ漏れ!野獣のようなオラオラ性行為シーンなど、思わず独りで観ていることを確認してしまうほどの激しさとエロさでした。ゲイポルノ一歩手前なレベルの男同士の濃密なセックスシーン満載なので、苦手な方は要注意。
 脱ぎっぷりのよさも圧巻なマット。上も下もガンガン惜しみなく露出して、ズコバコヤリまくってます。そこそこ人気も知名度もある、しかも超イケメンのスターが、ここまでする?!世界広しといえど、マットぐらいでは。政府の役人が何でこんなマッチョなの?と訝しんでしまうほどの肉体美を、これでもか!と。男の魅力あふれる美貌だけでなく、演技も素晴らしいです。「ノーマル・ハート」での壮絶な熱演といい、イケメンなだけ俳優と十把ひと絡げにはできません。もっと評価されてもいい役者。作品に恵まれれば、オスカーも狙える俳優です。


 ティムのことは心から愛してるんだけど、抑えられぬ性欲でハッテンバ通い、野心と保身のためにティムを利用、都合が悪くなると切り捨て、ほとぼりが冷めたらまた接近して元サヤ、を臆面もなく繰り返すホークは、かなりズルいゲスなヤリチン野郎なんだけど、傷つくとわかっていても、希望はないと知ってても、ティムがほだされて受け入れてしまうのも納得してしまう魅力にあふれてるんですよね~。まさに魔性の男。美しい男は何をしても許されるんです。並のイケメンではなく、マットのような特上のイケメンという条件がつきますが。
 「ブリジャートン家」で注目されたジョナサン・ベイリーも、マットに劣らぬ役者魂炸裂と脱ぎっぷりです。メガネが可愛い。ピュアでおひとよしすぎるティムは、ヘタな俳優だとイライラするかもしれない役ですが、ジョナサンは流されるのではなく自分の意志と覚悟で愛と対峙している感じで演じて、強く崇高なキャラになってました。若い頃よりもエイズに侵されて余命いくばくもない晩年の姿のほうが、知的で研ぎ澄まされてカッコよかったです。


 50年代から80年代にかけての、激動のアメリカ現代史の勉強にもなりました。50年代に吹き荒れた赤狩り、同性愛狩りの嵐がクレイジーすぎて戦慄。今では考えられない人権侵害、邪魔者を陥れるための監視や密告、誣告。愛国の名のもと、猜疑心と悪意にまみれた冷酷で卑劣な所業。あんなことがまかり通ってたんですね~。エイズパニックに揺れた80年代も、アメリカの闇を感じた時代でした。
 


大瀬良
BL以外の映画やドラマは、こちら! まつたけ秘帖

 

どっちも場末の飲み屋みたいな、つぶれかけの旅館みたいな激ショボブログですが、細々と楽しく営業中なので、遊びに来んさいや~♪