共産党を相手に裁判を開始する際、ある大手メディアの人から言われたのは、政治的対立があらわになる裁判になってしまうと、政治的中立性が求められるメディアが取り上げることは簡単ではないと言われました。実際、メディアへの露出は、ぐっと減ってしまいました。

 

 それ自体は問題がないというか、別にメディアに出たくて裁判を開始したのではなく(裁判費用が集まるほどには話題になってほしいという気持ちはありますが)、裁判に勝利することが目的ですから、そこに注力したいと思っています。毎週5000字ほど書いているメルマガも、活字としてオモテに出せばそれなりに反響があるでしょうが、それよりも裁判費用を稼ぐほうが大事という視点からのものです。

 

 でも、共産党と対立する問題は取り上げにくいというのは、この選挙結果からしてなくなりつつあるようですね。昨日、大手メディアから取材依頼がありましたが、共産党一人負けの選挙結果をどう見るのかが聴きたいことだということでした。ということで、本日取材されたので、近くネット版で出ていくでしょう。

 

 先日、別の週刊誌に私とは別の件で取材依頼をしたところ、裏金や2000万円問題で頑張った共産党がなぜ一人負けなのかが話題となり、積極的に取材しようという機運が生まれていると言われました。そう、メディアが動きはじめるかもしれません。

 

 それにしても、本日の取材でも話題にしたことですが、最近の共産党からは深く豊かな思考がなくなってきています。いまネットで話題になっていますが、国民民主党が基礎控除の引き上げを求めている件で、志位議長や山添政策委員長などが「赤旗」の批判論考を持ち出して金持ち優遇だと批判し、SNSでかつて「赤旗」で同じことを主張していたではないかと過去の政策を引用して言われると、過去の政策をデータベースから削除してしまったこと。がっかりです。

 

 過去の政策が通用しない新たな局面になり、政策自体を変えることはあり得るでしょう。政党なのだから政治的に判断することが求められる場合もある。

 

 しかし、今回の騒動は、国民民主党を叩くことを優先させるために、よくよく考えて出したかつての政策をなかったことにしているわけです。だから、なぜ変更したのかの説明ができない。そのため、以前は金持ち優遇の批判は当たらないから基礎控除を引き上げると言っていたのに、今回は金持ち優遇だから引き上げに反対だと言っている。大混乱です。

 

 つけ加えると、過去の政策を起案したのも、今回の批判論考を描いたのも、同じ人でして、私が政策委員会に在籍していたときの同僚です。東大で志位さんの同期だったと思いますが、政策を党首の政治的願望にもとづいてつくりはじめたら、もう政策とは呼べなくなります。真逆のことを言わされる政策委員会もかわいそうです。政策委員会のメンバーを政治利用するのは止めてもらえないかなあ。