本日のメルマガを配信しました。「神谷貴行(紙屋高雪)氏とその除籍・解雇について」がタイトルです。

 

 そこでは、今回の除籍・解雇の真の理由が、内田裕・共産党福岡県委員長の保身にあることを指摘しています。そんなことのために党の未来を閉ざしたということです。

 

 内田氏はこの間、党中央の意向を受けて、神谷氏に対する抑圧を強めてきました。それに同調しないものは権力に屈したことになるという論理を振りかざし、県党幹部や党員にそれに対する同調を求めてきました。

 

 最近、各地でくり広げられる同様の事態への反発が広がり、党中央は責任が自分に降りかかることを恐れるようになりました。そこで、私の見立てでは、「処分の権限は地方党組織にある」という、規約上は当然のことを建前にして、最終的な責任は地方党組織にあるという態度をとり、決断を押し付けるようになります。そこで処分にまでは至らない事例も生まれているようです。いざというときに党中央の責任を回避する思惑から出ているものなので、今後の行方はわかりませんが。

 

 しかし、さすがに福岡の場合、一年半にわたる強烈な抑圧であって、しかも幹部や党員を巻き込んできたため、処分はしないという決断をしてしまうと、内田氏の責任問題が生じてきます。この間の言動が間違いだったと認めなければならないわけですから。

 

 共産党の未来を大切にしようと思えば、除籍・解雇はしてはならない。しかし、それよりも自分の責任を回避することが大事だ。今回の措置は、そういう思惑から生まれたもののように思えます。

 

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 このメルマガの読者なら誰でも知っていることだろうが、共産党福岡県委員会が24年8月16日、神谷貴行(かみやたかゆき)氏を除籍した。神谷氏は党の勤務員だったが、除籍に伴い解雇もされた。

 私が紹介するまでもなく、神谷氏は紙屋高雪(かみやこうせつ)のペンネームをもち、「プレイボーイ」誌などにもマンガ評論を書いており、その他、マルクスから町内会の問題まで幅広い著作も上梓する有名人である。流行語大賞となった「ご飯論法」の名付け親としてテレビに登場したこともある。学生時代(京都大学法学部)に全学連委員長を務め、卒業後は共産党東京都委員会の政策部を経て、同福岡市議団の事務局長(除籍直前は一事務局員)として活躍してきた。6年ほど前、福岡市長選挙に立候補するなど、共産党のなかでも将来を期待される存在であった。

 かなり早い時期からブロガーとして知られていたようだが、私は、共産党本部の政策委員会に在籍していた20年ほど前、初めて存在を知った。その後、かもがわ出版に転職した数年後の2009年、編集者と著者の関係で初めてお会いすることになる。それ以来、何冊かの優れた本を出してもらったので、出版社としてどんなに感謝しても足りないほどの存在である。

 私が除名されるきっかけとなった『シン・日本共産党宣言』(23年1月末刊行)を、ブログで最初に取り上げ、評価してくれたのも紙屋氏である。まさかそれが除籍につながっていくとは思ってもいなかった。それ以前に、私が除名されること自体が想定外だったのだけれども。

 以上のような関係があるので、今回の除名・解雇に黙っているわけにはいかない。彼の主張は今後明らかにされるであろうから、それに即して論じるべきことは出てくるであろうが(例えば除名と除籍の関係など)、現時点で私が必要だと思うことだけを書いておく。長い間、 ペンネームの紙屋さんとして付き合ってきたが、除籍問題が扱われる文脈では神谷さんということになるので、呼び方はその場に応じて使い分けていく。

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