刺激的なタイトルで申し訳ありません。でも、先日の裁判の意見陳述で、私がこう述べたことをご存じでしょうか。

 

「これでお分かりでしょう。答弁書(被告である共産党が東京地裁に提出したもの—松竹)は私の安保堅持、自衛隊合憲論を批判していますが、同じような議論はまず志位氏が行ったということです。私は党の決定や党幹部の発言を大切にする1人の党員として、志位氏の模索を大事なものだと考え、それを受け継いだということです。

 もし私を除名するのなら、まず志位氏を除名して範を垂れた上で私に通告すべきでした。それなのに、志位氏は党首として讃えられ、私だけが最も重たい除名処分を科されるのでは、あまりに不均衡であり社会常識から逸脱しています。」

 

 法廷で志位氏の除名にまで言及するかどうか、本当に悩みました。その悩みを解消してくれたのが、何を隠そう、「赤旗」の記事でした。15日付の国際面(5面)で、フランス共和党の党首が除名されたという記事が載っていたのです(画像)。時事通信の配信ですから、「赤旗」記者が書いたものではないのですが、日本共産党内で除名が問題になっているときに、党首の除名を「赤旗」が報じるのですから、大胆だなあと思いました。そして、私の決断を後押ししてくれました。

 

 

 この党首、30日に行われる総選挙において、極右であるルペンの国民連合と協力しようとしたのですね。フランス共和党と言えば、もともとはドゴールがつくった政党であり、ナチズムと対決したことを誇りにしている政党ですから、党員たちはルペンと協力するなど考えられなかったというわけです。

 

 ただし、この除名、党首が裁判に訴え、「解任は党規違反で無効」という結果が出たそうです。そのため、577の選挙区のうち62選挙区では、国民連合と共和党の公認候補が出馬しているとか。一方、極右打倒を掲げてマクロン与党の推薦を受けて立候補する共和党候補もいて、フランスの右派は大混乱の極みにあるみたいですね。

 

 フランス共和党がどんな根拠で党首の除名を決定し、裁判所が規約のどこを根拠に無効と判断したのか、日本で報道される範囲では分かりません。でも、この間の志位氏の日米安保条約第5条発動とか、共産党の入る政権では自衛隊違憲という発言を受け、それは権力の働きかけをうけ権力に屈服した立場であり、綱領に違反するとして、次の第3回中央委員会総会で処分する手続きに入ることを決めたとしても、日本共産党の規約に反することにはならないのではないでしょうか。どうかな。