中祖氏の党大会における発言内容については、いろいろと言いたいことがある。この発言は、直後に私の再審査に関して山下芳生副委員長の報告が行われる予定になっていたので、その前ぶりとして準備されたものだろう。ところが、直前に神奈川の代議員が「問題は出版より除名 共産党『怖い』と思われる」と題する発言をしたので、中祖氏本人が冒頭で述べているように、代議員批判を盛り込んでなされたものである。

 

 その中祖氏の発言内容の以前に、まず山下報告の虚偽について書いておきたい。今回の再審査では、私の再審査請求書は700人の代議員に配られることはなく、大会幹部団21人だけに止められた。再審査に「責任」をもったのは21人のみである。山下氏は、こういうやり方をした理由を以下のように、「これまでの対応を踏襲」したものだとして合理化している。

 

「除名処分をされた者が大会に除名処分の再審査を求めた例は過去にもあるが、そのさいにも大会幹部団の責任で再審査を行い、その結果を大会に報告するという対応を行っており、今回もこれまでの対応を踏襲することとした。」

 

 私は、再審査請求書を提出するにあたり、当然のことであるが、過去の党大会の議事を調べた。大会の議事は、いつも直後の「前衛」臨時増刊で公開されており、そのなかの「大会日誌」と題された数ページを見るだけで分かるのだ。

 

 その結果分かったのは、過去一度も除名問題の「再審査」が議題となっていないことだ。だから、再審査請求書において、その事実を指摘しつつ、共産党の歴史上初めてのことなのだから、代議員に再審査請求書を配り、私の意見表明もさせるなど、十分な議論が保障されるべきことを求めたのである。

 

 ところが、山下氏の報告では、過去にも再審査がやられているという。そして、過去の事例においても、再審査に「責任」をもったのは大会幹部団だけだという。大会にはその結果を報告しただけだというのである。

 

 これにはびっくりした。だって、先ほど書いたように、過去の「前衛」臨時増刊の「大会日誌」には、そんなことは一言も書かれていないからだ。

 

 だから、山下報告がウソではないというなら、いったいどの大会で再審査が実施されたのか、公表されなければならない事項なのである。なぜ「大会日誌」に載せなかったのかという理由も含めてである。

 

 これって、当事者である私にとってだけでなく、党自身に必要な情報だろう。私の除名問題で党の規約の内容への党員の関心が高まり、幹部が党員に説明しなければならない機会が増えているが、「どの大会で再審査が行われたのか」という質問が出されたら、それに答えなければならないからだ。

 

 実際、党中央から何らかの文書でも出されたのかもしれないが、とにかく現在、私の除名問題について理解させる場合とか、あるいは党規約を講義する際、「再審査は過去5回行われた」と説明がされているとのことである。「これまでの対応を踏襲」したというのだから、「これまで」の事例を具体的に説明しないと、党員は納得できないだろうしね。

 

 しかし当然のことだが、「5回」と言われると、「ではどの大会なのか」という、もっと具体的な疑問が生まれてくる。どんなに「大会日誌」を見ても、そんな事例は出てこないのだから。(続)