私の現在の主な関心は共産党からの除名撤回裁判に向けられていて(仕事である本の編集以外でという限定付きだが)、書き物に関して言えば、週1回6000字程度で配信するメルマガに注力している。そうしながらブログで何を書くのかは難しい選択で(だって主な関心が向いていないのに、連日書くわけだから)、だから試みに「昨日の『赤旗』」と題して書いているわけである。膨大な分量の「赤旗」を読んでいるうちに、何か問題意識が湧くのではないかと思ってね。

 

 この試みは、とりあえず失敗ではないかもしれない。政治経済面であれ国際面であれテレビ欄であれ、論評の対象になることは分かった。ということで、今後、この方向でブログは書いていくつもりである。読者へのお知らせみたいなものもブログで書くことになるだろう。

 

 本日からは表題にある「赤旗」政治部長に関して論じる。中祖寅一政治部長の記事を取り上げるというわけではない。最近、ようやく「日本共産党第29回大会特集」の前衛臨時増刊号を購入し、大会での中祖氏の発言を読んで、ありゃまあと思ったので、関連することも含めてまとめて述べておこうというだけである。中祖氏とは関係ないことも含まれるけれど、そこはご容赦を。

 

 最近、「赤旗」とはどんな性格の新聞なのかが議論された。「赤旗」が中北浩爾中央大学教授への批判論文を掲載したのに対して、中北氏が反論を同じ分量で載せることを求めたのだが(かつて共産党が「産経新聞」に対して同じことを求めたことを根拠に)、共産党がこれを拒否したことをきっかけにしたものだった。小池晃書記局長が会見で示した共産党の回答では、一般新聞と「赤旗」は性格が異なることが拒否の理由になっていた。関連部分はこうだ(「赤旗」3.12)。

 

「サンケイ新聞が多大な影響力と公共性をもつ一般新聞であること、サンケイ新聞も加盟する日本新聞協会の『新聞倫理綱領』が公正・公平の原則をうたっていることなどもふまえ、わが党の対抗措置を認めるよう求めたものです。こうした一般新聞とは、まったく性格の異なる政党の機関紙を同列において、反論掲載を求めることは成り立つものではありません。」

 

 一般紙には「多大な影響力と公共性」があること、「公正・公平の原則」をあげ、それと政党の新聞は「まったく性格の異なる」と強調している。つまり、この言い方だと、「赤旗」には、「多大な影響力と公共性」や「公正・公平の原則」は存在しないと言っているようなものである。

 

 こういう言い方をしたことは、誰よりも「赤旗」記者にとってショックだったと思う。「赤旗」記者は、まさにジャーナリスト足らんとして努力していて、「多大な影響力と公共性」や「公正・公平の原則」においても一般新聞をどう超えるかという視点で取材に励んできたからだ。かつて「赤旗」編集長だった上田耕一郎氏などは、「党の政策が取材した事実と合致しなければどうするか」と記者に問いかけ、「ジャーナリストなら取材した事実を尊重せよ」と説いたという。

 

 だから、真面目な「赤旗」記者のなかには、中北氏とのやり取りに失望し、転職先を探す人もいるという。かもがわ出版にも就職希望する人がいるくらいだから、かなり深刻ではないだろうか。ちゃんと中祖氏の話になっていくので、ご心配なく。(続)