さて、審査の手続の問題は前回で終わって、今回から「審査の内容と結果」の問題に移ろう。山下報告は、冒頭で、京都の党の「除名処分決定文」を挙げつつ、こう述べている。

 

「結論から言えば、松竹氏の「再審査請求書」は、これまでの松竹氏の主張を繰り返すだけで、『除名処分決定文』がのべている処分理由に対する反論がまったくできないことを特徴としている。」

 

 最初から居丈高だね。山下さんって、こんな言い方できる人じゃない。きっと、その下にいる「代理」の人のかねてからの口調そのままだ。まあ、それは措いておこう。

 

 この山下報告は4200字。それに対する私の再審査請求書は、第Ⅰ部が約7万字、第Ⅱ部が約12万字、第Ⅲ部と第Ⅳ部が約2000字ずつとなる。きわめて広範囲に「除名処分決定文」の間違いを指摘したものであって、4200字で論じ尽くせるものではない。

 

 いや、長さの問題ではないと考える人もいるだろうし、山下報告が論じるのを避けた数々の問題を分かってもらうには、再審査請求書の全体を紹介することになるだろうから、山下報告が論じなかった(論じられなかった)問題を一つだけ紹介しておこう。あくまで例示だが、例えば第Ⅳ部で書いたことはどうだろうか。

 

 ブログで最近紹介したからご存じの方も多いだろう。党大会に向かう討論誌のなかで、京都の党員がこう書いていた問題である。

「私はこの処分直後に、ある中央本部勤務員に対し『処分が性急ではないか』と意見を送りました。しかし、その方からは、松竹氏の処分は性急ではなく以前から集団的検討をしていた主旨の返事をもらいました。」

 

 この党員は、「除名処分決定文」(2月6日付)で書かれている私の4つの除名理由が、すべて『シン・日本共産党宣言』の刊行(1月19日)とその内容に関連したものであることをあげ、「以前から集団的検討をしていた」ということならば、本とは関係なく処分が検討されていたのだから、除名が本の刊行を理由としているのはおかしいだろうと問いかけたのである。

 

 私はそのことを紹介しつつ、「(党本部で)集団的検討」がされていたということは、除名を京都の党が行ったのはただの形式で、本当は中央が決めて京都の党にやらせただけのことだと述べた。ここでも党中央が規約を踏みにじったのである。

 

 ところが、山下報告は、この重大問題について、いっさい口をつぐんでいる。この一事だけからも分かるように、山下報告は都合の悪いことは、ただただなかったことにしているのである。再審査請求書に真面目に答えたものではないのだ。

 

 この第Ⅳ部の提出は、党大会前直前に刊行された討論誌を受けたものだったから、党大会が目前に迫った11日だった。到着したのは12日だろうから、再審査の資料として取り上げるのには、あまりに日程が遅かったという言い訳は成り立つかもしれない。

 

 けれど、山下報告が冒頭に述べているように、再審査を受け付けることを決めたのは、15日に選出された「大会幹部団」である。そこで選ばれた人に再審査請求書請求書が配布され、翌16日の夕方の山下報告の時間までに、4200字の報告が書かれたのであろう。

 

 それだったら、第Ⅳ部も、選出されたばかりの大会幹部団に配布されたはずである。その内容を取り上げなかったのは、取り上げたら自分たちの規約違反を認めざるを得ないからだろう。

 

 それとも、この4200字が大会前から準備されていたのか。それだったら、大会幹部団の権限を侵食したことになる。どちらに転んでも、ここにあるのはは、党中央の規約違反という問題なのだ。

 

 なお、昨日の記事に関して、7回大会で再審査があったのではというご指摘があった。それは私がすでに党中央書記局への手紙でふれている事例だが(画像)、そもそもこの七大会までは再審査という制度はなく、この大会で採択された規約で明記されたので、大会での再審査というのは、次の8回大会からしか適用されないものであることを述べておく。

 

(続)