私に何かの案があるわけではない。40年間落ち込み続け、どんな指導者も、どんな地方組織も解決策を見つけられなかった問題だから、誰か優秀な党首が現れたからといって、何とかなるような問題ではない。

 

 ただ、1つ言えることは、すでに明らかにされている「法則」にしがみつくことが大事ではないかということだ。今回の大会決議案でも、「法則的活動の開拓・探究」と「党勢拡大の独自追求」の「一体化」ということが言われている。しかし、誰もが感じているのは、前者の「法則的活動の開拓・探究」が実際にはされないまま、「党勢拡大の独自追求」ばかりに重点が置かれていることである。

 

 これだけ党勢が減っている状況で、「党勢拡大の独自追求」に重点を置かないと、もはや選挙の資金さえ確保できない現実を前に、党中央があせる気持はよく分かる。これ以上「赤旗」が減れば、もう発刊停止に追い込まれるのだから、なんとか持ちこたえたいと思っているのだろう。

 

 けれども、そういう気持で「党勢拡大の独自追求」ばかりやってきたのが、この結果である。だから、いまのやり方では党は衰退に向かうというのは、不都合ではあるが目を背けてはならない真実であると見定めて、本気で「法則的活動の開拓・探究」と「党勢拡大の独自追求」の「一体化」に挑まなければならないのだと思う。「党勢拡大の独自追求」のほうはやっているのだから、「法則的活動の開拓・探究」のほうに活動の力点を置いて、党を再生しなければならない。その結果、「赤旗」の発刊が停止することがあっても、それは「党勢拡大の独自追求」をしてきた結果なのだと覚悟を決め、「赤旗」をネット化することこそ「法則的活動の開拓・探究」に踏み出せる道だと自信をもって、前に踏み出さねばならない。

 

 ネット化された「赤旗」では、1つの記事を見ていると、関連記事が表示されてくるはずである。「年金問題」や「子ども食堂」など、支部の党員が関心のある記事を読み合わせていれば、全国に生まれている経験とか、国の政策の問題点とかがすぐに分かるようになる。それを党員でよく議論し、同じ関心をもつまわりの住民にも知らせ、いっしょに運動するという、昔だったら当たり前だった運動のスタイルを取り戻そうではないか。そうするうちに、党員は元気になり、国民との結びつきも増えて、強固なものになっていくはずだ。そうやってこそ「党勢拡大の独自追求」の「一体化」が意味をもってくるのである。

 

 そして、私のことに関連して言うと、前回の連載でも書いたが、「専守防衛」を憲法違反だと断定し、自衛隊のことを憎々しげに報道するような記事は「赤旗」には載せない。自衛隊を否定する国民は1%程度であって、そういう国民だけを対象にするようでは、党勢拡大など絶対にできないのだ。

 

 また、党勢拡大のことを考えても、私の除名は来年1月の党大会の再審査をふまえ撤回すべきである。私が今年1月、『シン・日本共産党宣言』で提唱した党首公選は、自分で言うのもなんだが、未来が見えない共産党のための大事な提案だったと思う。どういう方向に共産党の未来があるのか誰にも見えていない状況下で、「こうすればいい」と考える人が複数あらわれ、全国の党員を巻き込んで議論することが、その方向性の手がかりを見つける手段だったと思うからだ。その提案を受け入れず、ただちに除名するような党のままでは、後退傾向から脱することはできないし、ましてや前進に向かうなど夢のまた夢である。

 

 だから、来年1月の再審査に向けて、引き続き全力をあげる。11月1日に再審査請求を出したけれど、二か月近く経ったいまに至るも党中央からはなんの返事もないのだけれど。そんな党の現実を見せられて、党員は「革命的な党だ」と喜ぶのか。そんなことはないと信じたい。(了)