月曜日から東京に出張していた。昼間は会社の仕事だったが、夜は共産党関連。毎晩、党とのトラブルを抱えている人の話を聞いていると、こういう状態がいまや普遍的なのかなと思えてくる。どうなんでしょうか。

 

 さて、連載は明日が最後だ。

 

 土方文書が出た際、よく分からなかったのは、何のためにこの文書を出したのかということだ。私が除名再審査にあたって党員に同調を求めていることについて、「党規約を破壊する行動」だと述べているが、それなら除名された党員でも可能な活動は何かを具体的に示せばいいではないか。私は党書記局宛に「こういう活動をする」と伝え、党にも対応を求めているのだから、「党規約とその精神を尊重して行動」せよというなら、その中身を示せばいいではないか。例えば、京都の党と私が討論会をやればいいと私は提案しており、それはOKだが、私が勝手にいろいろ活動するのは規約違反だとか、言ってくればいいではないか。

 

 こちらはどんな活動が可能かについて書記局への手紙でお伺いを立てているのに、何の返事も寄こさず、突然「赤旗」に文書が出て、再審査の資格が疑われるという。こういう規約を踏みにじるやり方で再審査を却下したら、大会後、困ったことになると思うんだけれどね。

 

 でも、常任幹部会の2回にわたる議事録を入手して、そして、この土日でいっせいに開催された地区党会議の様子を聞いて、ようやく理解できたことがある。土方文書というのは、私への警告とか、そういう意味は何もない。

 

 ではどこに意味があるかと言うと、“本心を隠して党大会代議員になれ”と言っていると私を批判することによって、党員に対して、“本心を隠して代議員になってはならない”と警告しているのである。本心を言わせて摘発する。それが土方文書の目的だったのである。

 

 大会決議案が公表された当初、大会に向けた意見は決議案に関することに限定され、それ以外は党論誌には載せないとされた。大会決議案には私の除名問題は書かれていないので、除名反対という意見を党中央に書き送っても掲載されない仕組みをつくって、党の一致団結を演出しようとした。一方、ネットを見ていると分かるが、除名問題で反対意見を書いた人には、機関から「党員としての資格」(常任幹部会の議事録の用語)を問う連絡が来る。

 

 ところが、代議員を選出する支部会議を始めてみたら、議論するのは大会決議案ということになっているので、私の除名問題はこのままでは議論にならない。知らず知らずのうちに松竹に同調する党員が選ばれる可能性がある。そこで、土方文書を出し、常任幹部会で党員を3区分した上で、私の問題に対して、この3つのどの態度をとるかを表明させるようにした。

 

 実際、この土日の地区党会議では、疑いのある代議員がいると思われた場合、私の除名問題での態度を聞くなどのことがやられた。また、わざと私の問題を議題にして挑発するとか、そんな事例もあったみたいだ。

 

 この結果、公表される文書では私の除名反対の意見は党内には存在しないことになり、代議員は全員が除名賛成の人が選ばれる。来年1月の党大会では、100%ピュアな「革命政党」の完成を祝うことになるのだろう。そういう政党が、本当に国民多数の支持を得て革命を成し遂げられるのかは、ぜんぜん別の問題だが。次回が最後である。(続)