〈YouTube動画に、高知の四万十市で市長をしておられた田中全さんとの対談をアップしました。大学の1年先輩で、その思いでにもふれつつ、保守勢力を含む野党共闘が高知で成立してきた事情などをお伺いしました。どうぞご覧ください。〉

 

 

 土方文書の内容上の最大の問題は、党幹部の文書であるにもかかわらず、党規約を理解していないどころか、それを踏みにじって恥じないことである。こんな幹部が「組織局長」をしているのだから、党組織がこんな状態になるのかなと思ってしまう。

 

 何よりも、党規約第55条を理解していない。この条項は、私の除名当日に小池書記局長も知らなかったことが記者会見で露わになって恥をかいたものだが、土方氏はそれから十か月経っても、まだ十分には読んでいないようである。共産党規約は、最後の最後に55条を置き、そのまた最後にこう書いている。

 

「被除名者が処分に不服な場合は、中央委員会および党大会に再審査をもとめることができる」

 

 誰が読んでも明らかなように、私は「党大会に再審査をもとめることができる」のである。「できる」というのは、規約の他の条項と同じく、権利があることを示す用語である。現役の党員ではなく、除名された党員にも権利を与えているのが、この条項なのだ。

 

 そして私は、この権利を行使して、党中央に再審査請求書を送っている。11月1日に送付し、2日に到着したことを確認している。

 

 55条は、京都の党が私の除名を決めたが、私はそれに「不服」なので、党大会での再審査を求めている。京都の党の決定が正しいのか、私の不服の訴えが正しいのか、それを党大会で審査しようというのが、この55条なのである。

 

 再審査の制度は、50年問題での分裂のなかで、両方の側から除名処分が乱発され、多くの党員が傷ついた痛苦の教訓から生まれた。したがって1958年規約から盛り込まれている。宮本顕治氏が分派として批判キャンペーンにさらされ、除名一歩手前までいったこともふまえ、多数派であれ間違うことがあるということで、除名処分にだけは大会での再審査の規定が設けられたのである。

 

 それほど歴史的な意味のある再審査なのだから、党中央は、大会での再審査がしかるべく実施されるよう、万全を期して準備すべき立場にある。だから私は、提出した再審査請求書に書記局宛の手紙を付け、三つのことを求めている。

 

 一つ。再審査に関する大会代議員の判断は、大会で行われる審査をふまえ、代議員自身がその場で行うものであって、審査の前に特定の立場に立つ代議員だけを選ぶとか、逆に排除するとかをしてはならないこと。大会で代議員が判断する材料を増やすため、大会までの期間に各地で京都の党と私との討論会を実施すること(実施されない場合、私は独自に訴えを行うことも表明)。

 

 二つ。再審査請求書は、代議員として選ばれた人には事前に送って読んでもらうこと。

 

 三つ。大会では私に意見表明をさせ、討論も行うべきこと。投票は秘密投票にすること。

 

 私はこういう手紙を一か月以上前に送っているのであるから、党中央がやるべきことは、まず私の求めをどうするか判断し、私に返事を寄こすことである。

 

 ところが、何の返事もない。返事がないどころか、突如として、土方氏が今回の論文を出したのである。土方氏は、そして党中央は、規約55条をどう考えているのだろうか。党中央には万能の権利があり、規約を踏みにじる権利もあると考えているのだろうか。

 

 いや、今週月曜日に開かれた常任幹部会議事録を入手したのだが、それを見ると、そんな生やさしいものではなさそうだ。なんと、全国の党員を、党中央への忠誠度から私への同調度を基準に三種類に選別、排除、統制しようとするものだった。その驚愕の内容は、土方さんの週末出勤を強いないため、週明けに書くこととして、土日は別の大事な問題を論じたい。(続)