来年1月の党大会に向けた議論が開始されている。私の除名反対を訴えて支部党会議で代議員に立候補したが、3割の得票で落選した人の話は書いたけれど、ちゃんと地区党会議の代議員になれた人もいるようだ。とはいえ、地区党会議、県党会議と上に登るにつれて、少数意見は排除されていく仕組みだし、今回、党大会への代議員選出のチェックは超厳しいみたいなので、私を支持する人が選出される可能性は、ほとんどゼロに近いとは言えるだろう。

 

 ということで、党員がもし大会に意見を述べられるとすると、事前に意見を提出し、それを討論紙に掲載してもらうしかない。その意見募集がすでに開始されているが、私の除名反対の意見を出したとして、それがオモテに出て来る可能性は、かなり薄いようである。というのは、意見の提出に対する制限が、前回大会までと比べてもきついからである。

 

 意見の提出に関して、前回と今回で目立つ違いは、まず書ける字数である。前回は1600字だったが、今回は1200字とのことだ。理由は明らかにされていないが、意見を出すことを歓迎する方向への変化ではなさそうである。

 

 もっとも大きな変化は、何に対して意見を出せるかだと思われる。前回の28回大会と今回の29回大会を比べると、以下のように微妙に異なっている。

 

今回「第29回党大会決議案に対する感想・意見・提案をお寄せください」

前回「第28回党大会議案に対する感想・意見・提案をお寄せください」

 

 同じではないかと言われるかもしれない。けれど、字数が一字分だけ違うのが分かると思う。前回は「大会議案」への意見を募集したのだが、今回は「大会決議案」なのだ。

 

 何が違うのか。「大会決議案」と言った場合、まさに先日の10中総で採択された「日本共産党第29回大会決議案」のことである。そして、書記局名の文書にあるように、党員が出せる意見は「大会決議案についての感想・意見・提案に限ります」とされている。「決議案と無関係のもの……は、掲載しません」とされるのだ。

 

 そして、大会決議案を検索にかけた人がいて分かったのだが、この決議案には「除名」という言葉が一つも出てこないそうだ。意見書で「除名反対」と書いた途端、「決議案と無関係」としてはねられるという仕組みである。

 

 前回大会のように「大会議案」といった場合、大会の議題は「決議案」だけでなく、「その他」というものもある。大会を招集する書記局コミュニケでは、大会は「大会決議と中央委員会報告、新中央委員会の選出、その他を議題として」招集されるとされている。「その他」の中に私の再審査も含まれることになるので、除名問題で意見を出しても「その他」の議題に関する意見と解される可能性があるわけだ。しかし、意見を出せるのが「決議案」だけに限定されると、かなり苦しくなる。

 

 私の除名に反対する意見は、大会代議員からも出なかったし、党員からも一通も寄せられなかった。だから全党が一糸乱れずに結束して却下した──。そういう結末にするのが、党中央の狙いなのかもしれない。

 

 それでも、今回の大会決議案が、4箇所にわたって「反共攻撃」という言葉を使っていることでも分かるように、除名を契機とした「反共攻撃」との闘いが焦点となっていることは、誰も否定できない事実である。私の名前や除名問題を明示しないけれど、決議案の中身は、まさに私の除名と強く関連しているのである。

 

 だから、「大会決議案が重視してい『反共攻撃』との闘争に関連し、そのきっかけとなった松竹氏の除名問題について意見を述べる」と前置きすれば、その意見を排除することはそう簡単ではないはずだ。それでも排除する可能性は残るけれども、その場合、載せなかった意見の数の多さで判断できることもあるので、是非、意見の提出は欠かさないようにしてほしいと思う。