昨日、いまのガザ問題で、学校図書館向けの本を書いてくれないかと、ありがたい申し出があった。私の力量ではあまりに大きすぎるが、これはやりたいと思って引き受けた。どうなるかな。

 

 中祖寅一様

 

 6月13日に「お笑い公安調査庁」の記事を書いてアップし、いつものように新聞に目を通しはじめました。「赤旗」「朝日」「毎日」の順に読んでいって、最後の「産経」ネット版を開いたときでした。

 

 びっくりしました。3面左肩に佐藤優氏が登場しています。「世界裏舞台」という連載で、いつもなら彼の豊富な国際体験をふまえた裏話が載っていて、とっても楽しいのですが、今回は様子が違います。タイトルからして、「説得力欠く志位氏の反論」となっています。昨日紹介した「正論」特集号に対する志位氏の記者会見を報じた「赤旗」記事(6月4日付)をとりあげ、志位氏を本格的に批判するものでした。

 

 ところがそうやって党首が批判されているのに、いつまで経っても「赤旗」には反論が出ません。反共攻撃にはいつも過剰とも思えるほどの反応をする共産党と「赤旗」が黙り込んでいるのです。私は「まずい」と感じ、19日からのブログで、「佐藤優さんの志位批判の批判」と題して、志位氏を擁護する9回もの大連載をすることになりました。

 

 その内容はこれから紹介するとして、問題にしなければならないのは、反共攻撃に対する党と「赤旗」の基本姿勢です。公安調査庁がメディアで党攻撃に乗り出すという新しい事態になっているし、知識人からも党の対応への批判が出ていて、大きな影響力をもって広がっているのです。なぜそれに反論しないのか。

 

 「正論」とか「産経」は、まともに相手にするメディアではないとでも思っているのかもしれません。しかし、影響力がある点では、メディアの種類に違いはありません。今回の9中総の結語で、小池氏はメディアの「攻撃」についてこう語りました。

「8中総と記念講演を読んで身につける。それをしなければ、党員が攻撃に無防備にさらされてしまいます。日常的にメディアなどが振りまく攻撃にさらされる。そのような事態はなんとしても避けなければなりません。攻撃に立ち向かって、一人ひとりの党員の政治的・思想的成長をかちとらなければなりません。それは全党の党員に対する私たちの責務でもあると思います。」

 

 読者が3000人程度のブログ、まだ登録者が1000人に到達しないYouTubeなどで発言している私個人に対しては、共産党と「赤旗」は、9中総で意思統一もして徹底的に反撃を加えている。しかし、その何十倍、何百倍も影響力のある「正論」や「産経」、佐藤優氏などには一言の「反撃」もしないで済ませている。戦うべき「敵」を間違えていませんか。これでは「党員が攻撃に無防備にさらされてしまいます。日常的にメディアなどが振りまく攻撃にさらされる」(9中総結語)のではないでしょうか。

 

 党指導部や「赤旗」政治部長などは、意図的に権力を批判しないようにしているのではないか。どこかで権力とつながって暗躍する勢力が党内にいるのではないか。私が現在の党指導部や中祖氏程度の思想水準だったら、そんな妄想に捕らわれて、何か発言することになるかもしれません。私がその程度の水準に落ちることはないので、そんなことはしませんけれど。というか、いまの党中央や中祖さんがやっていることは、その程度のレベルの話なのです。

 

 ということで、明日からは、その種の攻撃に対する内容的な批判を少しだけ書いていきましょう。破防法問題は、これまでの党や「赤旗」の水準では克服できない問題だと思うからです。(続)