中祖寅一様

 

 たいへんご無沙汰しております。お元気でお過ごしのことと思います。

 

 今回、中祖さんにメールを出そうと思い立ち、過去のメールボックスを確かめましたが、中祖さんと最後にメールをやり取りしたのは、2020年の初めのことでした。ですから、もう3年近くも前のことになるのですね。

 

 当時、「赤旗」の何面だったか忘れましたが、一面全部を使って韓国との歴史認識問題をめぐって歴史学者のインタビューが掲載され、その内容にたいへん感銘を受けたことがありました。最後まで読んだらインタビュアーが中祖さんであることが分かったので、早速メールをして、その学者のアドレスを教えてもらったのでした。おかげさまで、学者とは有意義なやりとりをすることができたので、中祖さんには心から感謝しております。

 

 ついでに過去のメールボックスを見ましたが、それ以前はもっと頻繁にやり取りしていました。中祖さんは2010年代、政治部の一記者として、先日まで開かれていた共産党の9中総で志位氏から高く評価されている「ASEANインド太平洋構想(AOIP)」につながる構想の取材、研究をしておられて、私に意見を求めてこられたので、何回か東京駅などでお会いして意見交換をしました。私は、中祖さんの研究を評価しつつ、同時に、党としては外交分野だけでなく防衛分野でどう政策を提示できるかが大事だと問題提起し、意見交換したものでした。

 

 そういえば、中祖さんと最初にお会いしたのは、あなたがまだ北海道大学の学生時代でしたね。北大の先輩で私と学生運動で同期の小木曽陽司さんが「赤旗」編集部に入ったばかりの頃で(現在は編集局長・常任幹部会委員に出世されました)、お二人が連れ立って東京の練馬区桜台にあった私の自宅にやってきて、お酒を酌み交わしながら議論をしたのでした。懐かしい思い出です。

 

 その中祖さんに3年ぶりにメールをすることになったのは、他でもない先日開かれた共産党の第9回中央委員会の関連文書を読んでいたら、あなたのお名前が出ていたからです。小池晃氏の結語が「赤旗」8日付に出ていますが、そこでこういう記述があります。

 

『「しんぶん赤旗」の中祖寅一政治部長は、いまの党攻撃が、権力、メディアと一体となった大掛かりな党攻撃であることをリアルに示しました。全体像が非常にふかまったのではないでしょうか。」

 

 あなたは私が除名された直後、「赤旗」に朝日新聞の社説を批判する論文を出しました。そのなかで、私の除名処分にふれて、「松竹氏が、……突然、規約と綱領に対する攻撃を公然と開始した」として、私の「党攻撃」を批判しました。ですから、小池氏の結語のなかで、あなたの発言として紹介されている「党攻撃」とは、私がおこなった行為のことを指しているものと思われます。

 

 ということは、あなたの9中総での発言は、私が「権力、メディアと一体に」なって「党攻撃」を行っていることを「リアルに」解明したものなのでしょう。これまで私は、メディアはともかく、「権力」側の人と一度として党攻撃のために接触した経験はありませんから、自分の人生のなかでこれほどびっくりしたことはありません。

 

 9中総の結語でこれだけ高く評価されている発言ですから、こそこそと内部で広げるようなことはせず、全文が近く「赤旗」に公開されるものと思われます。しかし、身の覚えのない批判を受けた私としては、公開を待つことなく、現時点で分かる範囲であなたへの反論を書いておきたいと思います。「赤旗」に発言全文が公開されたら、必要に応じて補足するメールをお送りします。

 

 ということですので、しばらくの間、毎日メールをした上で、ブログで公開させてもらいます。あなた自身がつくりだした事態ですから、覚悟はしておられると思いますが、ご容赦ください。(続)