本日の「赤旗」で注目すべきは、4面に掲載された常任幹部会の声明(昨日付)である。タイトルは、「9月こそ「大運動」を全党運動に発展させる月に──9・15記念講演会を最大の結節点として党勢拡大の飛躍をつくろう」。

 

 要するに、8中総で決めた「第29回党大会成功、総選挙躍進をめざす党勢拡大・世代的継承の大運動」の8月の成果を明らかにし、党大会(来年1月)までの方針を打ち出すものだ。結果は、党員は増えそうもなく、「日刊紙247人減、日曜版488人減」というものだったので、この声明では根本的な打開策を明らかにしなければならなかった。

 

 だからもちろん、朝起き出して、最初に読んだのだが、なんだか調子の狂う文章が続いている。違和感ありまくりというか。

 

 最後まで読んで分かった。8中総の中心問題が欠落しているのだ。

 

 8中総と言えば、それを報じた「赤旗」1面トップに「革命政党」の見出しが躍っていたことでも分かるように、そこに共産党の存在意義を見いだすものであった。共産党は革命政党だから恐れられている、そしていま反革命が結束して共産党に襲いかかっている、だから闘おうとい基本路線を打ち出したのだ。

 

 しかし、入党対象者に対して、「いっしょに反革命と闘いましょう」とか「革命政党の一員に」とか呼びかけて、「そうですね、いっしょに闘います」というふうになるはずがない。だから、「赤旗」の経験欄を見ると、いろんな要求でつながった人に対して働きかけ、「ともに政治を変えよう」と呼びかけて入党している事例がほとんどだ。そういう人も、入って見て党支部の会議に出席し、「反革命と闘う同志です」と紹介された日には、次から参加しなくなるだろう。

 

 その現実を、常任幹部会も理解したのではないだろうか。だって、この3615字もある声明のどこを見ても、「革命政党」どころか「革命」「反革命」の言葉が出てこないのだ。

 

 もう一つのキーワードが「支配勢力」による「反共キャンペーン」だが、「支配勢力」の言葉が出て来るのは、県委員長会議でそういう議論をしたという一箇所だけ。「反共キャンペーン」は最後の最後のところで、「『130%の党』づくりと世代的継承を成功」させたら「反共キャンペーン」への回党になるというだけのものだ。

 

 つまり、「革命政党」も「支配勢力」も「反共キャンペーン」も、8中総の中心概念は、そういうものを国民に向かって語ろうという方針の箇所では、一言もでてこないのである。

 

 これが方針の転換なら、少しは先が見えてくるかもしれない。しかし、ここが現在の党指導部の限界だが、これまでの方針に弱点があったことは認めたくないので、方針転換だとは書いていない。

 

 だから現場では、同じ方針がまんぜんと続いていくのではないか。そうなると現場の党員だけが苦しみ続けることになる。なんとかしてくれよ。