本日午後2時より東京で記者会見して、来年1月の共産党大会で行われる予定の除名問題の再審査に関連し、私の基本的な態度を明らかにする(同時中継はここから)。共産党100年の歴史のなかで規約にもとづく党大会での再審査の実施は初めてのことであり、結果の如何にかかわらず、歴史的な意味のあるものにしたい。

 

 もしこれで私が復党でき、党首公選も行われて私が立候補でき、万が一党首になれたらの話だが、私としては、この10回の連載で述べてきたことを踏まえ、公安調査庁に申し入れするつもりである。共産党を破防法の調査指定団体から外せという申し入れだ。

 

 だって、公安調査庁がそうした措置を取っている理由は、共産党がいまだに「敵の出方」論をとっていることにある。その表現を使わないことは、28回大会3中総(21.9.8)で決めたが、中身は変わらないような説明をしているので、それを根拠にしているわけだ。過去の路線から転換したとなると革命政党ではなくなったのかと党員から疑念が寄せられると思ったのか、

 

 しかし、別の記事で書いたように、不破氏は党創立90周年の記念講演で、61年綱領にはスターリンの中世的な影があったので、新綱領ではそれを克服したと述べているように、04年綱領は61年綱領から決別し、本格的に21世紀型の党へと踏みだしたものだ。しかし、それだけの抜本的なものだと党大会で説明すると、党員は「自分は間違った路線で活動してきたのか」とショックを受けるだろうからとして、党大会では61年綱領の発展型であるように説明し、それから8年も経って「真意」を説明したのである。

 

 これまで説明してきたように、そもそも61年綱領と異なり、04年綱領は「敵」という言葉を使っていない。言葉を使っていないだけではない。民主連合政府が樹立されても、なお権力はアメリカ帝国主義や独占資本が握っていて、そこから権力を奪取する必要があるという考え方もなくなった。アメリカ帝国主義は話し合いと外交交渉が可能な相手だということになり、そのアメリカ帝国主義が(プラスして対米従属の自衛隊が)、共産党に暴力で襲いかかってくるという想定もなくなった。だからこそ、共産党は9条を将来にわたって堅持することを明確にし、暴力的に襲われた際の手段を放棄することにしたのである。現在の支配勢力が選挙であらわされる国民の意思を尊重するか、それともそれを無視してが暴力に訴えてくるかという、「出方」をあれこれ詮索することは、新綱領では無意味になったのである。

 

 それならば、そのことを明確にして、公安調査庁に堂々と申し入れるべきではなかろうか。けれども、現在の指導部にはそれはできないだろう。「敵の出方」論という表現は使わない(中身は変わらない)という見解は、先ほど紹介した28回大会3中総で「全会一致」で決まったものだ。現在の指導部には、いまさら「私は違う見解でした」と言える人はいない。

 

 だから、共産党を破防法調査対象から外したいと望む党員は、是非、来年1月の党大会に代議員として参加し、私の除名に反対する意思表示をしてほしい。そして、党首公選を望む声をあげてほしい。

 

 なお、公安調査庁が見解を変えない根拠としては、もう一つ「50年問題」での共産党の見解がある。これについては、本格的に掘り下げないとダメだと考えており、かなり昔に廃棄処分した『日本共産党50年問題資料集』とか『宮本顕治の半世紀譜』とかを再購入した。『百年』も手に入れた。猛勉強して、9月末頃に連載を開始するつもりである。党首をめざすというのは、たいへんなことだなあと、我ながら感心している。(了)