もっとも大事なことは、党員や党支部がネット版「赤旗」を議論したり、拡大したりすることが、国民の願いを実現する活動と結びつくようにすることだ。現在は、党支部が国民と要求実現で結びつく経路がやせ細っている上に、党活動の中心にすえられている「赤旗」拡大に力を注ぐことが、すでに結びつきのある人を短期読者にするなどに追われているため、新しい国民と結びつくことになっていかない。

 

 国民との新しい経路の獲得のため、ネット版はどう活用できるか。ネット版なら、党支部が国民と結びついて元気になるような「赤旗」拡大のやり方はあるのか。

 

 紙面的に言うと、どこかで(たとえばサイドバーのところなど)過去の記事をテーマごとに見られるようにすることが大事だ。「環境問題」とか「年金問題」とか「憲法九条」とか「米軍基地」とかである。そこからは、関連した記事がどんなものでも見られるようにする。「調査報道」のスクープもあれば、運動の経験記事もあれば、お役立ち記事もある。

 

 そのことで何を狙うかというと、そのテーマの分野で運動を起こしていく上で、「赤旗」を不可欠な道具にすることだ。そこを見れば、運動する上で大事なことがまとめて載っているというものである。先ほど4つの項目を挙げたが、それらが中項目、小項目に分類されていく。たとえば小項目では「子ども食堂」の項目があって、開設したり運用したりの経験も載っていれば、食料品を調達する上でのノウハウなども分かるし、行政の問題点の告発なども勉強できるようにするのである。党支部が「子ども食堂」をまわりの人といっしょに開設し、運営するうえで、「赤旗」が欠かせないというものにしていくことだ。

 

 くり返しになるが、共産党の最大の弱点は、「赤旗」拡大に追われて国民との結びつきが減っていることである。しかし私に言わせれば、「赤旗」を増やすことと国民のなかで運動を起こすことが断ちきられているというか、両者が何の関係もないことが問題である。「赤旗」を増やすことが運動を起こしていくことにつながるような、そんな紙面をつくれば、運動も広がって国民との結びつきもでてくるし、「赤旗」拡大すること自体にも新たな意味を吹き込むこともできるだろう。

 

 ネット版以前の過去記事も、いまのうちにテーマごとに分類しておこう。そうすれば、ネット化と同時に大量の情報がアップされた状態にできるので、最初から運動に役立てられるし、お得感を高めることもできる。

 

 もちろん、トップページには日々の「調査報道」が入ってくる。50名の記者が書くので(といっても10名程度はネット技術者と校閲だろうが)、バラエティに富んだ記事が次々と掲載されるはずだ。それが一般の人にとっての「売り」になる。一週間分くらいは見やすい状態にしておくべきだろう。

 

 問題は、現在の紙面のかなりの部分を占める党活動の記事である。しかしこれもネット版だと解決しやすい。(続)