『不破哲三氏への手紙』、アマゾンで画像が表示されています。内田樹さんの帯の推薦も。引き続き、発売を一か月前にして、宝島社新書で第一位を独走中。

 

 

 私が1月に刊行した『シン・日本共産党宣言』の版元は文藝春秋社だった。共産党は私の除名理由を正当化するため、私が権力に追い落とされたと都合のいい妄想をした。しかし、私は権力と何の接点もない。そこで共産党が考えついたのが、文藝春秋が権力側だということにする手法であった。

 

 まずは市田忠義副委員長の京都乙訓での演説である(2月19日)。私が日本記者クラブで会見を開けたのも、文藝春秋社から本を出せたのも、「共産党バッシングを大いにやれ……そういう勢力と結託した」ものだと、のたまわった。

 

「彼(松竹伸幸さん)は周到な準備をして出版物を発行して、記者会見を開き、だいたいですね、日本記者クラブがその場を提供するということは、誰もやれる場所ではない。そういところを提供したということは、共産党バッシングを大いにやれ、平和の大攻勢をかけられたら困るから、そういう勢力と結託している。松竹さんが出された本はどこからでているか。文藝春秋なんですね。文春と相談し、党内をかく乱するためには値段も安くしましょう。記者会見で公然と語っています。」

 

 市田氏は、「そういう勢力」が権力や支配勢力だとは言っていない。さすがに党の幹部だけあって、そこまで言ってしまったら問題になるという自覚があったのかなあ。ただ、こうやって文章にしてみると、口頭での印象と異なり何を言いたいのか分からないので、ただ論理的な話ができなかっただけなのかもしれない。

 

 一方、現職国会議員のレベルになると、政治的な抑制が効かないからか、真意が正確に伝わってくる。伊藤岳参議院議員は、仲間内の共産党後援会という気安さも手伝ってか、こんな言い方をした(2月末)。

 

「そこに目をつけたのが今の権力側なんですね。共産党の中にいる松竹伸幸という人の主張に目をつけて本を出さないか、雑誌のインタビューに応じないか、いろいろ攻勢をかけていたことが明らかになりました。彼はそれに応じて本を出しました。彼のブログなんか見ますと、完全に権力の側に取り込まれちゃっているんです。利用されている。敵権力は党の内部でもこういうことを言っている人がいる、という事を外に漏らして、いかにも共産党が時代遅れだと言うようなことを醸し出そうとした。それにまんまと乗せられた。これが松竹問題の真相だと思うんですね。」

 

 なぜ2月の話を蒸し返しているかというと、8中総の方針が、この2月の演説を再燃させるものとなりそうだからである。何といっても「除名された党員を利用し、大手メディアも動員した『共産党は異論を許さない党』などという一大反共キャンペーン」がやられているので、そういう「支配勢力の攻撃」と戦おうというのが、8中総の核心である。革命政党として「結束した反革命」(懐かしい言葉だ)に立ち向かうというのだ。そして実際、私が文藝春秋など支配勢力と一体になって計画的に反共活動を展開しているという言い方は、現在もオモテには出ないところで執ようにされているという情報も伝わってきている。

 

 ということで、私と権力がつながっているという共産党のデマ情報を見かけたら、是非、私に音声なり動画なり、お送りください。市田氏や伊藤氏のものも含め、私が名誉毀損裁判に訴える際は、証拠としてまとめて法廷に提出しますので。権力と私の関係の証拠を出してもらうため、証人として出廷も求める予定。市田氏は法廷でも言い逃れできるレベルだが、伊藤氏は難しいだろう。

 

 でも、これでも連載の「上」に、「文藝春秋社は「権力側・支配勢力」か」というタイトルを付けた理由は分からないよね。「上」には文藝春秋の話は出てこないのだから。明日はそれを書く。(続)