「赤旗」をネット化する場合、他の一般紙のネット化の経験を参考にするところはしたほうがいいが、同じようにしないことが大切である。一般紙は、まさに政治経済から国際関係、文化からレテビまで広範囲に扱っていて、日々の出来事に対応しようとしていて、ネット版もその基本線は変えていない。要するに、「この一紙で全部分かるよ」というスタンスを、紙の場合もネットの場合も貫いているのである。これと同じスタンスが「赤旗」でも必要かというと、そんなことはない。

 

 一時期、「赤旗も」一紙で間に合うことをめざした時期もあった。それで株価をどう扱うかなどが検討された時期もあったが、いまや「赤旗」はそういうことを目標としていない。ところが、どうしても毎日発行されている一般紙と比較されないよう、何から何まで扱わなければという固定観念に取り憑かれている部分もあるのが、「赤旗」の現状である。

 

 よく「時事通信」の配信記事が載っているけれども、これも日々の出来事で他紙には載っているのに「赤旗」では報道されないことがあってはならないという、そういう思い込みが残っていることの証である。しかし、時事通信の報道で足りるということは、別に「赤旗」記事にしなければならないというものではない、ということでもある。割り切る必要があるのだ。

 

 それに加えて、いまのスタンスでやっていくと、党幹部の長い演説も載せないといけないし、国会議員の質問など掲載が遅れると怒り出す議員もいるから大変である。いま、そういう記事がどんどんふくらんでいるので、まさに「機関紙」みたいになっていて、とても一般国民にお勧めすることができない。どんなに「130%」とかけ声をかけても、とても購読したいというものにならない。

 

 ネット化することを、そういう過去のしがらみを吹っ切って、現代にふさわしい媒体として甦らせるきっかけにする。そんな意気込みで検討することが求められていると思う。

 

 日刊の新聞であった過去は忘れて、まったく新しいメディアとしてスタートするのである。では、どんなメディアにするのか。この間、人生のなかでもっとも真剣に「赤旗」の将来を考え、現状分析するうちに自分なりの打開策が見えてきた。いよいよ本論に入っていくが、あすから別の連載をやるので、再開は週明け。

 

 その間、「赤旗」改革の方向性についてご意見があればその間に寄せてほしい。最後は怒濤の4日間連載で完結したい。

 

 なんで除名された私がこんなことを考えるのか、常識的にはおかしいが、これを議題にすべき8中総で、200人もいる中央委員の誰一人問題提起しなかったので仕方がない。誰のカネでおまんま食べていると思っているのだ。少しでも中央委員としての自覚、誇りがあるなら、是非、検討してほしい。(続)