『不破哲三氏への手紙』はすでにアマゾンで、宝島社新書のトップ。全体の順位で三桁になったのも、私の本では初めてのことで、すごいことになるかもしれない。

 

 7月も「赤旗」は大幅に減ったみたいで、改革は急務となっている。さてということで、紙の日刊紙に替わって何を創設するのか。もちろん、常識的な答えしかない。ネット化である。

 

 しかし、ネット化といっても、いろいろなアプローチがある。「赤旗」ならどんなやり方がいいのか、それを早めに探って、見いだしておかねばならない。

 

 率直に言って、一般紙の世界を見ると分かるが、新聞のネット化は成功していない。私がネット版を購読しているのは、「赤旗」以外では朝日、産経、毎日だが、その事例を見てみよう。

 

 まず朝日新聞。2011年には紙で800万部近い部数を誇っていたのだが、現在450万部程度だそうだ。ネット版はどうかというと、今年1月、最新の数字を公表したが、会員数580万に達するそうである。おお、紙が減った分をカバーしてるじゃん、すごいねと思われるかもしれないが、その内、有料会員は30.5万人に過ぎない。紙で減ったのが350万だから、1割をネット読者にしたに過ぎない。

 

 産経新聞も昨年1月、紙の読者が100万を割った。前年同月から7万部減っており、「赤旗」同様の危機が訪れる可能性がある。ネット対策は試行錯誤しているようだ。

 

 朝日と同様、紙面レイアウトをそのまま再現するもの(いまの「赤旗電子版」と同じである)、スマホのニュース購読に向いたもの、過去のデータベースにアクセスできる機能を持つものなど、いろんな努力をしている。ただ、読者数は公表されておらず、それらが成功しているのかどうかは、私には情報がない。

 

 しかし、産経のすごいところは、ツイッターのフォロワーがすごい数になっていることだ。「総アクセス数は国内マスコミの中でも最大規模を誇っている」ということだ。若い読者を獲得しているところが重要な理由だという。これは「赤旗」のネット化に際して学ばねばならないところである。

 

 次に毎日新聞。紙は約185万部、「デジタル毎日」の会員登録が100万件という。しかしこれも有料読者数は公表されていないので、まだ黒字という段階ではないのだろう。毎日が他紙と異なる特徴は、デジタル専門の記者がいて、紙面もデジタル独自のものが存在するところだろうか(最初にデジタル、のちに紙という場合もある)。

 

 成功していると言われるのは、日本では日経新聞だけである。2023年1月、ネット版の会員数が594万いるのだが、有料会員は82万にも達していて、他紙を凌駕する数である。有料会員と紙の読者の合計も247万余り。しかしこの日経であっても、現在の有料会員の割合は13%台で、2017年1月の15%から下がっているという。

 

 どの事例を見ても、簡単ではないことが分かる。(続)