「赤旗」日刊紙を廃刊(停刊)にする場合、すぐ思い浮かぶ対策がある。日曜版に特化するというものである。

 

 日曜版だけなら財政的にもやっていける。さらに、日刊紙の場合は党員読者が大半であって、廃刊したところで、短期的に選挙での得票に影響することはなかろう。

 

 実際、選挙での得票を左右しているのは、日曜版読者の数である。日刊紙に振り向けている多大なリソース(多人数の記者など)を日曜版の紙面づくりに活用すれば、もっと魅力的な紙面ができることになり、新たな有権者を獲得する可能性がある。

 

 これは、可能性はあるが、却下である。なぜなら、日曜版の日刊紙化が進んで、読者にとって魅力的なものにならず、どんどん読者が減っていく悪循環に陥る可能性のほうが高いからである。

 

 現在の日刊紙の紙面は、三桁の記者がつくっているだけあって、他に代えがたいものが少なくない。一方、率直に言わせてもらうと、この間、「支配勢力の反共キャンペーンとの戦い」が重視されていることもあって、日曜版読者に見せたら引いてしまうような内容が多い。いや、日刊紙としてもこんな紙面でいいのかという意見も記者からはでているようだが、指導部はおかまいなしである。そして、党指導部が有権者に見せたいのは、そういう内容のものである。

 

 だから、日曜版紙面の日刊紙化は、法則的に進むのである。これでは、うまくいくはずがない。

 

 必要なものは日曜版に載せるみたいなことになると、ただでさえ、たとえば8中総なんて4ページもとっているから、タブロイド判だと8ページになる。もうこれでは日曜版とは言えない。

 

 それに、志位さんって昔から、自分が話したことを全部ちゃんと伝えたら、党員も確信になるし、国民も理解すると思い込んでいるところがある。だから、自分の話のすべてを日刊紙にどんどん載せようとする。それを日曜版でやられたら、ただちに日曜版まで廃刊(停刊)を迎えることになるだろう。

 

 ということで、日曜版の日刊紙化は悪手であって、どうしても別のアプローチが必要である。といっても、考えつくことは、そう立派なものにはならないけれどね。(続)