先日、東京に行って、「自衛隊を活かす会」の会議をしてきた。ご存じかと思うが、元防衛官僚の柳澤協二さんが代表で、呼びかけ人が伊勢﨑賢治さん(元東京外大教授)、加藤朗さん(元防衛研究所)で、私は事務局長である。

 

 簡単に言うと、現行憲法下での自衛隊のあり方、安全保障のあり方を考え、提言する会で、もう9年も活動していて、30回くらいの公開シンポジウムを開いてきた。その間、3つの提言を公表したが、それらはパンフとしてまとめており、会のホームページの「基本文書」のところからダウンロードできる。

 

 そこで議論して、近く「ウクライナ戦争の終わらせ方」をテーマに連続講座を開催することにしたので、しばらくお待ちを。この問題での第一人者を何名かお呼びできると思う。現状での停戦論もあろうし、侵略の落とし前を付けることとの一体論もあろう。昨年9月に自衛隊を活かす会の編集で『非戦の安全保障論』(集英社新書)を出したが、その続編も出す予定なので、乞うご期待。

 

 この会、最初は「提言」を出したら終わり、とうことにしていたのだが、需要が強いのでそのまま残している。せっかくだから、改憲の国民投票がやられるまでは残して提言をしておこうというのが、4人の合意になっている。

 

 先日の会議で、中心議題が終わり、雑談に移った後、誰だったか忘れたが、「シン・九条の会」みたいなものが必要だねということになった。それなら、国民投票が浮上してきたら、当会を名称変更する可能性も議論された。「シン・九条の会」」(旧称「自衛隊を活かす会」)とかにである。

 

 これはあり得るかもしれないなあ。というのは、国民投票がやられるなら、議論の中心に据えるべきは、9条を守るか守らないかではなくなると思うからだ。というか、9条がそのままなのに集団的自衛権も認められ、敵基地攻撃能力も保有した上で、「9条があれば日本は戦争しない、だから守ろう」という訴えは通用しないだろう。

 

 だから、国民投票で議論すべきは、戦争しない日本のための防衛と外交のあり方になるのではなかろうか。そういう議論は「自衛隊を活かす会」の存在意義そのものである。会の正式名称は、「自衛隊を活かす:21世紀の憲法と防衛を考える会」なので、そもそもの目的なのである。