本日はちょっと寄り道をする。コメント欄で、共産党は敵基地攻撃を日本が行うことに断固として反対していると書く人がいて、それはその通りだと思う。しかし、日米安保条約が存在するもとで、じゃあ侵略された際、アメリカが敵基地攻撃を担うことはどうかについて、共産党はまだ何も言っていない。

 

 「いや、共産党の方針は日米安保条約廃棄だから、そんなことは心配しないでいい」という人がいるかもしれない。しかし、侵略されたら安保条約を発動するというのは、共産党の公式の方針である。

 

 志位和夫委員長は7年半ほど前(2015年10月29日)の外国特派員協会のスピーチで、記者から「仮に日本有事が起こった際には、安保条約の発動を求めますか」と問われた。その際の志位氏の答えは、「その時には、安保条約第5条で対応します」というものであった。

 

 これは過去のことではない。昨年の参議院選挙を前に、この問題も含めて党の最新の方針を示すために志位氏が刊行した『新・綱領教室』(22年4月刊行)でも、このやり取りは引用されている。さらにこの本のなかで志位氏は、安保条約について、「国民多数の合意がない時に廃棄することはできないし、やりません。…ですからどうぞご安心ください」とまで述べている。

 

 安保条約第5条を発動するということは、在日米軍に出動を求めるということである。では、その在日米軍にどんな役割を担ってもらうのか、共産党は明らかにする義務がある。

 

 現在の日米安保の常識では、自衛隊が専守防衛を担い、在日米軍は敵基地を攻撃するのである(いざという時は核兵器の使用も辞さない)。この常識通りに、共産党は、米軍に敵基地攻撃を担わせるのだろうか。自衛隊が敵基地攻撃をすれば憲法9条に反するが、米軍がやる分には日本の憲法の適用外だから構わない(砂川事件の最高裁判決と同じだが)という立場だろうか。

 

 それとも、敵基地攻撃を任せるにしても、核兵器は使用してはならない程度のことは言うのだろうか。それならば、私の「核抑止抜きの専守防衛」とあまり変わらないように思えるが、この私の立場は「通常兵器の抑止を認めるなんてとんでもない」と共産党から激しく批判されているので、米軍には核兵器だけでなく通常兵器も使わせないということなのかもしれない。けれども、安保5条を発動して在日米軍の出動を求めるというのに、核兵器も通常兵器も使ってはダメだということになると、いったい何をせよと言うのだろうか。

 

 岸田軍拡に反対するというのは大事であるが、その場合も、では侵略されたらどうするのかという答えがないままでは、軍拡に反対する多数派を形成できないので、これらの点を明らかにすることが求められると感じる。統一地方選挙でこれをみずから争点にしているのだから、当然のことであろう。(続)