日本共産党中央委員会御中

私に対する除名処分は規約上の重大な瑕疵があるので、一時的な執行の停止を求めます

二〇二三年三月六日 松竹伸幸

 

3、処分を決定する会議で意見を述べる権利を奪われた問題

 

 処分、とりわけ除名処分は、処分される側にとっても、処分する側にとっても重大な行為です。そのため党規約は、除名の対象となった党員がこの手続に関われるよう、厳正な手続を定めています。関連する条項は以下の通りです。

 

 「自分にたいして処分の決定がなされる場合には、その会議に出席し、意見をのべることができる」(第五条一〇項)

 「除名は、党の最高の処分であり、もっとも慎重におこなわなくてはならない。党員の除名を決定し、または承認する場合には、関係資料を公平に調査し、本人の訴えをききとらなくてはならない」(第五四条)

 「党員にたいする処分を審査し、決定するときは、特別の場合をのぞいて、所属組織は処分をうける党員に十分意見表明の機会をあたえる」(第五五条)

 

 このうち、第五四条は、処分を決定する前に、本人の訴えを聞く調査を実施することを求めたものです。この点については、十分なものだったかどうかはともかく、調査自体は二月二日に実施されました。

 

 一方、第五条一〇項と第五五条は、完全に無視されています。この条項は、党員に対する調査をふまえた上で、実際に処分を決定する会議を開催する際は、本人が「その会議に出席し、意見をのべることができる」「党員に十分意見表明の機会をあたえる」とするものです。

 

 しかし、私に対する処分を決めたとされる二月五日の京都南地区委員会の会議、さらにはそれを承認した六日の京都府委員会の会議で、私は意見を表明する機会を与えられていません。会議への出席も求められていません。それどころか、五日と六日に会議が開かれることは伝えられましたが、何時にどこで開催するのかさえ知らされませんでした。

 

 この「意見表明」は、処分される本人から申し出る性格のものではありません。そんな権利があることを知らない党員もいるのですから、規約に書かれているように、「所属組織(この場合は地区委員会――松竹)」の側から、「党員に……与える」、つまりそういう場があるので、参加することができると告げるべきものです。

 

 だからこそ、党の元埼玉県委員長だった増子典男氏(現、幹部会委員)は、みずからのツイッターで、自分がこれまで多くの処分に関わったことを紹介しつつ、「私も何回も経験していますが、出席を求めなかったことは一回もありません」(二月八日)と発言しています。他の県で一回もなかったことが、京都府では起こっているのです。

 

 なお党規約は、あらゆる処分は「中央委員会にすみやかに報告する」(第五五条)ことを求めています。その際に中央の規律委員会が提出を求める「処分報告項目例」を見ても、処分されたものの氏名や処分の内容、理由などとともに「意見表明(弁明)の機会」も挙げられています。これは処分にあたって必須の事項なのです。すでに南地区委員会は中央委員会に報告を上げているものと思われますが、私の意見表明の機会はどうしたと書かれているのでしょうか。もし弁明の機会を与えたと書かれているなら、虚偽の報告がされたことになり、中央の規律委員会がそのまま放置するならば、中央委員会自身の責任が問われることになります。

 

 いずれにせよ、これでは「除名は、党の最高の処分であり、もっとも慎重におこなわなくてはならない」という規約の根本精神が踏みにじられていることになります。私を規約違反だとして処分した側が、実は規約を根底から犯していたということです。

 

 以上の点から、現状のままでは、この処分は無効です。結論は変わらないにしても、私が出席し、意見表明ができる地区委員会、府委員会を開催しなければ、処分は有効にはなりません。すでに述べたように、「通知書」の文面の訂正、削除も必要です。

 とはいえ、統一地方選挙を目前に控えて忙しい地区委員会、府委員会に負担をかけるようなことはしたくありません。ですから、その会議は統一地方選挙のあとに開催することとし、それまでの間、中央委員会の権限と責任で処分を一時的に執行停止とする措置をとることを望みます。その期間、私の党員としての権利が回復されるなら、統一地方選挙での共産党の躍進のため、微力ながら献身する決意です。

 なお、くり返しになりますが、この訴えに応えていただけるかどうかは別にして、私は選挙期間中、メディアへの出演は取りやめ、ブログでこの問題を論じることも中止します(すでに取材を受けたものはご容赦ください)。ただし、「赤旗」で私に対する批判が掲載されたり、幹部が演説で取り上げたりする場合は、その限りではありません。ご検討いただければ幸いです。□

 

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〈党中央の返事をふまえた私のコメント〉

*すでに紹介した党中央規律委員会の返事では次のように書かれています。関連する全文を引用します。

 

「処分を決定する会議で意見をのべる権利についていえば、2月2日の調査の際に意見表明の機会を与えたうえで、処分を決定する京都南地区委員会常任委員会が2月5日におこなわれることを伝えています。しかし、あなたからはその後、地区委員会に対して、党規約第5条10項の『自分に対して処分の決定がなされる場合には、その会議に出席し、意見をのべることができる』という権利にもとづいて会議に出席するという意思表示はありませんでした。『意見をのべる権利は奪われた』という指摘は当たりません。」

 

 私が2月2日に調査され、そこで自分の意見を述べたことは事実です。その場で5日に処分を決定する会議が開かれると伝えられたことも事実です。しかし、それ以降の記述は、事実と党規約を歪めています。まず党規約を改めて引用します。

 

「党員にたいする処分を審査し、決定するときは、特別の場合をのぞいて、「所属組織は処分をうける党員に十分意見表明の機会をあたえる」(第五五条)

 

 党員を処分する場合、「審査」するときも、「決定」するときも「意見表明の機会」がなければなりません。私に続いて処分された鈴木元さんの場合も、9日の調査で意見表明の機会があり、15日の決定の際にも、「所属組織(京都府委員会)」から「意見表明の機会をあたえる」(第五五条)ので参加してよいとの連絡がありました。手紙で引用した増子典夫幹部会委員のツイッターを見ても、全国では厳格に実施されているようです。

 

 ところが、私の場合、「所属組織(京都南地区委員会)」は、5日に処分を決定する会議を開くと私に伝えたけれども、その場で私に「意見表明の機会をあたえる」(第五五条)ことは告げませんでした。会議を開くと伝えられても、私がそれに参加できる権利があると告げられなければ、出席する意思表示もできようがありません。ましてや、会議の時間も場所も知らされていないのですから、私が参加できるかどうか判断もできません。

 

 党員たるもの規約をしっかりと記憶していているべきであり、たとえ機関からそういう通告がなくても、「規約上、私には出席して弁明する権利がある」と言うべきだというのが、規律委員会の返事の立場なのでしょう。しかし、規約違反で処分される党員に対して、ちゃんと規約通りに対応せよという立場をとるのもおかしいことです。処分される党員のなかには、そういう機会のあることが規約で明記されていることを知らない党員もいるのです。しかも、規約をそのまま読めば分かるように、たとえ党員から参加の意思表示がなくても、「所属組織は処分をうける党員に十分意見表明の機会をあたえる」(第五五条)べきなのです。ところが私の場合、所属組織(南地区委員会)はそういうことをしなかったのです。

 

 規律委員会の文書は、そこには口をつぐんだままです。規約は守られなかったということです。

 

 ということで、私は予定通り、来年1月の党大会で再審査を求めることとします。