昨日は記事を書く気になれなかった。穀田さんの記者会見があって、鈴木元さんの処分のための調査が進行中だと分かったからだ。

 

 私の除名理由の一つは(一つというより中心的理由だが)、鈴木さんと分派を形成したことにある。だから、分派の相手である鈴木さんが処分されないでいると、私の除名の正当性が失われる。だから、きっと何らかのことが起こると思っていたので、想定外というわけではない。

 

 しかし、鈴木さんの処分はしないでほしい。何より、60年の党員としての人生を否定するようなことをしてほしくない。それに、選挙前のいま強行したら共産党にどんな打撃を与えるかは明白なのに、なぜこんな時期になって調査を行うのだろうか。

 

 私の除名理由が揺らぐというなら、そこに影響させない理屈ぐらい、いくつでも見つけられるはずだ。

 

 例えば、この問題に関心のある多くの人が知っているように、鈴木さんは私と違って、選挙結果に関する常任幹部会の呼びかけに応え、中央委員会や府委員会に意見をあげてきた。それでも何の返事もなかったので、本を執筆しようと決意したわけである。

 

 志位氏は、私の除名を正当化した記者会見(2月9日)で、私が意見をあげなかったことを重要な根拠として述べている。以下、引用する。

 

「わが党の規約というのは、党員は、党のどの機関に対しても、党大会、中央委員会、都道府県委員会、地区委員会、どの機関に対しても自由に意見を述べることができる。あるいは質問することができる。この権利を保障しているわけです。つまり異論を党内で唱える権利を保障しているわけです。そして、そういう異論が提起された場合には、きちんと回答しなければならないというルールになっているわけです。」

「松竹氏が、この党のルールにのっとって『話し合い』を求めてきたならば、私たちは誠実に『話し合い』をしたでしょう。しかし彼は、『話し合い』を求めることは一切なく、いきなり攻撃を始めたわけです。ですから、それに対しては当然の対応になるんではないでしょうか。」

 

 鈴木氏は、私と違って異論を提起し、「話し合い」を求めた。志位氏は、そういう場合、中央委員会が「きちんと回答しなければならないというルールになっている」と言いながら、鈴木氏には何も回答をしなかった。

 

 つまり、党の側がルールを守らなかったわけだ。それを志位氏が事実上認めている。

 

 それなら、党の側に瑕疵があったということで、今回は処分しないという対応はできるではないか。分派は私が働きかけたもので、鈴木氏にはそんな意図はなかったと言い張れるではないか。それなら、鈴木氏は処分しないまま、私の除名は正当化できるではないか。

 

 是非、党中央には、党と党員を愛する高い立場になって、最終的な決断をお願いしたい。鈴木さんは京都府委員会直属の党員なので、処分される場合、中央委員会の承認が必要とされる。これまでのように「地方機関で検討している問題」とは言えない。党中央がみずから判断する問題なのだから、その結果もすべて党中央が引き受けるべきものであり、責任は果てしなく重い。