なるべく共産党とは別の話題にしたい。だが、なかなか事情がそれを許さない。

 

 すでに昨夕の会見で小池さんが述べているので、私のブログを読むような人なら、みんな知っていることだろう。もちろん私も歓迎する立場だが、分からないことだらけではあるが、とりあえず2つだけ。

 

 まず、反論と抗議の違いである。小池さんは昨夕、こう述べた。

 

「これまで一部のマスメディアが、松竹氏の除名を巡って、事実と異なる記事を掲載した際にも、反論は行いましたけれども、抗議といった組織的な対応はしてきませんでした。」

 

 私自身は、先日も書いたように、政党がメディアに「抗議」するような場合もあるのではと考えている。そこは別にしても、共産党がメディア全体を敵に回した2月9日の志位氏の記者会見は、「反論」というより文字通り「抗議」であった。だから、長崎の共産党も、志位氏がやった程度のことはしなくてはと、長崎新聞への抗議に及んだのではないだろうか。以下、志位氏の発言である。

 

「こうした「結社の自由」ということを全く無視した、これに対する乱暴な攻撃だといわざるをえない。それを「大手新聞」を名乗る「朝日」社説が行った。これは、あまりに不見識です。日本共産党の自主的・自律的な決定に対する外部からの攻撃です。」

「まさに党の自主的・自律的な運営に対する乱暴な介入であり、干渉であり、攻撃だと断じざるをえません。この日本の大手新聞の社説がやっていることは、由々しきことだといいたい。」

「悪意で党を攻撃するものに対しては、私たちは断固として反撃します。」

 (記者 朝日新聞社の社説は悪意だったということですか。)

「そうです。そう思っています。」

 

 こういう発言を「朝日」の記者を前にして行ったのである。これに比べると、長崎の共産党の「抗議」内容は極めて穏やかである。だから、抗議と反論をどう区別しているのかが分からない。

 

 もう1つは、党中央の関与の問題である。小池氏は次のように述べて、長崎の問題では党中央は関与していないとしている。

 

「抗議という対応をとるということは、党中央としての方針ではありません。」「常任幹部会等で議論して決定したっていう経過が全くないんですね。私自身も相談受けてませんし、もちろん委員長も相談受けてないという経過なんですね。」

 

 しかし、長崎の共産党が抗議したのが9日、それが10日の「赤旗」に掲載された。たとえ小池氏などが相談を受けていなくても、反論はいいが抗議はダメだと認識していたなら、「赤旗」を見た朝の時点で「マズい」と思ったはずである。しかし、その日の夕方の田村会見ではそういう認識は示されず、ネット上での批判が広がったあとの昨日になって、ようやく昨日の小池会見になったわけである。「反論はいいが抗議はダメ」というのは、批判の高まりに抗しきれずに思いついた抗弁という性格がぬぐいがたいと感じる。

 

 実際、昨日の小池会見でも、党中央の関与はほのめかしてはいるのである。こう述べている。

 

「党中央の担当者、それから長崎県委員会、そしてあの記事を掲載した新聞赤旗の編集委員会に対しても注意を行いました。」

 

 つまり、党中央の担当者が関与しているということである。しかも、その担当者は、ただ長崎の共産党の行為を黙認したという程度ではなく、「抗議しろって言った」ようなのだ。小池氏は会見の最後のほうで次のように言っている。

 

「注意した対象というのは、党本部の担当者、長崎県委員会そして新聞赤旗は別にその抗議しろって言ったわけじゃないんで、それを掲載したっていうことについて、新聞赤旗の編集委員会にも注意をしました。」

 

 長崎の共産党に「抗議しろって言った」のは党本部の担当者というわけだ。これだけの誤りを犯しておいて、ただ「注意」で済まされる担当者って、うらやましいな。