さて、「赤旗」に掲載された一連の「松竹への反撃」論文に対して、ようやくコメントを書く時間が取れました。新しいものからはじめましょうね。

 

 「松竹氏 党かく乱者であることを告白」(2.19)というタイトルの「反撃」です。署名欄にはHというイニシャルがありますが、どなたでしょうね。

 

 これは、週刊「FLASH」に掲載された古谷経衡さんと私の対談、および日本記者クラブの講演を取り上げたものです。そこで私がこう述べたことを問題にしているのです。まずこの論文の半分以上を占める私の発言をそのまま引用してみましょう。

 

 「松竹氏は、『FLASH』(2月28日号)で、「『志位一派を追い出せ』と支持してくださる方もいます」「来年1月の党大会で復党への再審査を求めるつもりなので、その方には『離党せずに、1月の再審査に代議員として参加してください』とお願いしました」とのべ、すでに同調者と連絡をとっていることを明言しています。6日の記者会見で、自らの除名処分を「不服」として党大会に「再審査」を求め、同調する党員に「(離党を)はやまるな」、いまは「党にとどまって…党大会に代議員として出て…除名に反対だという意思を表示してほしい」とよびかけたうえで、党大会に向けて「この1年を全力でたたかいぬく」と宣言したことを、さっそく実行に移したものです。」

 

 6日の記者クラブで講演した直後も、土井洋彦さんの「反撃」論文が出て、似たようなことをおっしゃっていました(土井さん、最近京都まで来られたそうですね。事前に分かっていたらご挨拶に行ったのに)。要するに、除名された私が次の全国大会で再審査を求めていることを、「分派」だとか「かく乱」だと批判するものです。『FLASH』の記事が示しているのは、6日に示した「かく乱」の意図を「さっそく実行に移したもの」ということです。そして次のように結論づけています。

 

 「これは、党の最高機関である党大会のかく乱を企図し、表にあらわれない形で、みずからを支持するグループ=分派をつくるための活動をはじめたことを告白したものにほかなりません。」

 

 そして、「“善意の改革者”を装っていますが、党の破壊者・かく乱者であることをみずからの言動で明らかにしています」「このような人に、“善意”のかけらもないことはあまりにも明白です」というのです。

 

 いやあ、H論文のほとんど全文を引用してしまいました。「反撃」に対する批判を書くのに、相手の言うことをこんなたくさんそのまま引用するなんて、普通はあり得ないことです。 

 

 そういえば昔、佐藤栄作首相が、新聞は思い通りの記事を書かないから、会見には自分の動画を垂れ流すテレビだけを招いたことがありました。ところが、最近の共産党は、志位さんの記者会見とか市田さんの講演の動画のように、コメントなしに全部を読者に見せたほうが、よほど批判が寄せられるようになっている。このH論文も同種のものです。

 

 だって、私は、共産党が50年問題の苦痛の分裂を通じて生まれた党規約を、そのまま実行しようとしているだけです。以下のように規約は定めているのです。

 

「被除名者が処分に不服な場合は、中央委員会および党大会に再審査をもとめることができる。」(党規約第55条)

 

 「被除名者」である私が「処分に不服」なので、「党大会に再審査をもとめることができる」という規約に基づいて行動しようとしている。再審査を求めるということは、除名処分を撤回してほしいという気持から来ているわけで、大会に参加する代議員に対して、私の訴えを聞き入れて処分撤回に賛成してほしいという行動をとるのは、当然のことではないでしょうか。

 

 それがH論文によると、分派、かく乱活動になる。なぜそんな論理が生まれてくるのか、さっぱり理解できません。H論文を書いた人は、規約を読んでいないのでしょうね。除名処分が濫用されて苦痛をもたらした50年問題のこともあまり知らない人が書いたとか。

 

 それとも、こういうことかも知れません。共産党を除名されたものであっても、再審査が済むまでは、「党の決定に反する意見を、勝手に発表することはしない」とか「党の内部問題は、党内で解決する」などの規約にしばられる。それが実は規約の正しい解釈なのだとか。

 

 もしそうだったら、党の内部規則を一般国民(私のいまや一般国民ですから)にも押し付けるものです。民主集中制を国民にも適用することになります。ソ連や中国ではないのだから、日本共産党はそんな恐ろしいことはしないって、何度も明言していたのではないでしょうか。

 

 それに、私は離党予備軍を党にとどまらせているわけであって、「130%の党づくり」に貢献しているつもりなんですけど。次回は「谷本論文」です。