毎日新しい話題が生まれて、なかなか連載に戻っていけない。何もなければ明日から再開するけれどね。で、本日の話題。

 

 「赤旗」には「知りたい 聞きたい」という欄がある。私が党本部にいた頃は、「理論解説部」が中心になって書いていた。昨日の「赤旗」では、「党首の選び方どう考える」をテーマにして、党の考え方を解説していた。

 

 中身は、昨年8月23日付で突如として公表された論文の焼き直しで、新しい解明があるわけではない。ただ、この論文を補強するために使った材料には、これまでの「赤旗」にはなかったものがある。この解説、以下のように締めくくられているのである。

 

「共産党の党首の選び方が話題になったインターネットテレビ『ABEMA』の番組(16日放映)では、タレントのパックンことパトリック・ハーランさんが『共産党はずっと健在な党ではあるんです。もしかしたら、いまのやり方がその健在さの元になっているかもしれない。変える必要、ほかの党のまねをする必要ないんじゃないか』『やっぱり(党員の直接投票による党首選挙は)他の党でみられている分裂のシナリオだと思う』と語っていました。」

 

 これを見て、真面目な党員が多いから、「あ、有名人が党首公選を否定している。このテレビをちゃんと見て、自分も反論の材料を増やそう」と考えた人もいるだろう。この「ABEMA」の番組(16日放映)というのは、ネットで誰でも視聴できるようになっているのだから(わざわざ日付まで書いているし)。

 

 ところが、そうやって見に行った党員は、びっくりしたのではないか。だって、この番組「『共産党を変えたい』現役党員が異例の訴え」というテーマで私を招き、私の『シン・日本共産党宣言』を紹介する番組なのだから。半分は私がしゃべっている。パックンの発言だって、ごくごく一部を引用しているだけで、全体を聞いてもらえば、党首公選が党への支持を高めることを承知の上での発言だと分かる。

 

 つまり、この解説記事、私を批判するように装いながら、私の主張を視聴するように党員を誘導する役割を果たしているのである。すごいね。

 

 私を批判した「赤旗」編集局次長の藤田健氏の論文は、私の「一連の言動」が規約と綱領に反していると断じたものだが、その判断材料として「ネットTV」もあげられている。「ネットTV」といっても、私は「ABEMA」以外に出ていないから、藤田論文は私が「ABEMA」に出演してお話しした内容を批判しているのである。

 

 それなのに、「赤旗」編集部の「知りたい 聞きたい」解説子は、読者や党員にその「ABEMA」を見ることを推奨してくれている。以前から「赤旗」編集局には同志が多いなと感じていて、私にとってはありがたいことだが、その解説子が処分されないかが、当面の心配事である。

 

 いや、共産党にとって焦点の党首公選について、「赤旗」が解説記事を載せるのは、これがはじめてだ。そんな記事をデスクだけの了解で載せられるわけがない。藤田氏だって読んだのではないか。あるいは、学生運動時代の同志である小木曽編集長だってOKを出した可能性がある。「赤旗」は上から下まで仲間なのかもしれない(「赤旗」にも上下関係はなかったのだっけ?)。