ようやく内容的な問題に入っていきます。藤田さんの論文では規約と綱領の2つの点が論じられているので、私もその順番で。
この論文で、藤田さんは、党首公選を求める私の行動について、党の規約から「逸脱」している、規約に「違反」していると断定しています。党の本部のなかで、規約の解釈をになっている部局の人ならともかく、「赤旗」編集局の人間がこのような断定をするのですね。
それがおかしいという人もいますが、私はそれでいいと思います。藤田さんが私の行動をそう断定するように、党員である私もそうでないと断定していいのですから。そうやって、党中央の人間と、現場のヒラの党員が、規約の解釈について議論を交わすようになることが、党にとって大切なことだと思います。
なぜかというと、党の中央だって、規約の解釈で大きな間違いを犯すことがあるからです。日常的にもそういうことはあるでしょうが、それが表面化したのが、2003年の筆坂さんのセクハラ事件です。
この時、常任幹部会は、筆坂さんを当初、規約上の「警告」処分としました(最近の小池さんと同じ処分です)。しかし、いろいろ経過があって、それでは済まなくなり、最終的には中央委員の罷免処分へと切り替えました。私は筆坂政策委員長のもとで働いていましたが、この処分は支持しています。
ところで、のちに処分の内容が変更された経緯について、「週刊新潮が」党中央に問い合わせをしました。それに対して広報部が回答し、その回答が無視されているとして「抗議文」を出したのですが、そこでは、常任幹部会で規約の解釈をしている担当者が「思い違い」していたことが書かれています(「赤旗」で2005年9月22日に公表され、現在もここにアップされています)。
「筆坂氏の処分の事実経過は、回答文で述べているとおり、(1)常任幹部会は当初、ことが公表されたときに、被害者が受ける影響などを考慮して、常任幹部会の内部にとどめる処分(具体的には警告処分)とすることを確認した、(2)しかし、これは、常任幹部会の規律担当者の思い違いで、規約の規定によれば、党中央委員にたいする処分は、すべて中央委員会総会での決定を必要とするものであり、次の常任幹部会で中央委員罷免という処分をあらためて確認した――というものです。」
党中央は間違わないと信じている党員もいると思いますが、実際にはそんなことはないのです。党員に対する処分を担う常任幹部会の規約の担当者が、規約の解釈で「思い違い」をすることだってあるのです。しかも、それを常任幹部会で了承したということは、不破さん、志位さん、市田さんだって、思い違いに気づかず、正すことができなかったということです。
ということですから、今回の藤田さんの断定だって、「思い違い」の可能性があります。だからこそ、ヒラの党員である私の意見だって聞いて、「赤旗」で公開討論でもすることが大事だと思っています。藤田さんは、常任幹部会の規約担当者が間違うことがあるのに、自分だけは間違うことがないと信じているのでしょうか。(続)