2月、3月に3冊ずつ、計6巻を刊行するのがこれです。「わたしたちの歴史総合」シリーズで、2月に1、5、6巻、3月に2、3,4巻がでます。

 

 昨年4月、高校の教科で「歴史総合」が出発しました。日本史と世界史を統合する、覚える歴史から考える歴史へをうたい文句にしたものです。

 

 そのコンセプトを高校の教科にとどめず、一般書にも及ぼすべきだろうと考えた歴史学者のみなさんに声をかけました。そして7年前、「歴史総合研究会」を発足させたのです。

 

 それ以来、春、夏、冬と年に3回の研究会を積み重ね、すでに20回にもなっています。今年2月末に最終の会合です。

 

 研究会は刺激に満ちたものでした。「歴史総合」自体が初の試みであって、例えば「国家とは何か」ということを、日本史、東洋史、西洋史の枠を超えて議論するのです。

 

 ほぼ原稿は出そろっていますが、私なりの感想を言うと、歴史学にとって不可欠な実証を大切にしつつ、歴史観、世界観を問うシリーズになってうれしいということです。何と言っても、先ほどの国家もそうですが、「世界とは何か」「近世とは、近代とは何か」みたいな哲学的な探求になっているからです。最後まで気を抜かずに頑張ります。

 

 私は年に5冊の本を刊行するのが会社との契約なんです。1月の2冊にくわえ、これで8冊。4月の4冊を加えると12冊。今年の残りは、どうしても出さなければならないものだけを出すのですが、1年で3年分の契約を果たすという感じです。