小池さんが公開の自己批判をして、志位さんも反省を示したことで、まさか「一件落着」ということにはならないと思うが、どうだろうか。深刻に教訓をくみ取るようにしないと、共産党にとってさらに大きな打撃になってしまう。

 

 会議に参加していたのは地方議員と予定候補者だが、ある人は、小池さんの発言以降のことは、あまりに呆然としてしまって覚えいてないと言っていた。怒りを感じた人も、会議に集中するどことではなかっただろう。議員や候補者ではないが、拡散動画を見て、「「赤旗」が読めなくなった」という人もいた。

 

 要するに、何らかの方針を徹底しようとして地方議員と候補者を集めたのに、その方針は徹底されていない。それどころか中央に対する不信感を増幅したわけだ。

 

 自己批判によってその不信感は和らいだと思うが、せっかくの会議の中身が議員・候補者のものになっていないのは、そのままである。自己批判しただけでは済まないというのは、そのことだ。少なくとも、会議をやり直し、パワハラを目撃した議員・候補者に対して小池氏が直接に謝った上で、会議の眼目を再度伝える程度のことは不可欠だろう。

 

 それだけではない。謝罪がここまで遅れたのは、当初は内々で済ませる予定だったのが、国民のなかに事態が広がることになってしまったという事情があるからだろう。謝ったことで「さすが共産党」と思ってくれる人は少なくて、「共産党の体質があらわれた」と感じる国民が多数をしめていると感じる。小池氏の自己批判後になってようやく「じつは気になっていた」と発言する議員がいることに対して、「やはりもの言えぬ党」との批判が集まっているという報道は、その現実を示している。

 

 だから、議員や候補者にとっては辛いことだが、少なくともしばらくの間、街頭や集会の演説の冒頭などでこの問題を率直に訴えることも必要になる。「あれで終わりか」と思われては支持を広げることにはならない。

 

 小池さんは小池さんで、これからも何かを語り続けるだろう(それをしないと聴衆は聞いてくれない)。しかし、議員・候補者も、どうすれば信頼を回復した上で、さらに共産党への支持を上向きにできるのか、一人ひとりが自分の頭で真剣に考えることが求められるのではないか。

 

 それにしても、この問題からくみ取るべき問題は多くあり、いずれも共産党にとって大きな問題だと思う。その点を少し書いておきたい。(続)