国葬問題、統一協会問題で岸田さんの支持率が低下していて、危険水域という見方も生まれている。ただ、「ほんとうは政局ずき」と言われる岸田さんから見ると、現状は「結果良し」ということになるのではないか。

 

 なぜかと言えば、超保守派の圧力を受けて国葬に踏み切った結果がこうなっているのだろうが、だからこそ、超保守派の言いなりになっているようでは、国民から反発を受けるという構図が生まれているからだ。今後も超保守派からは、「これをやれ」「あれをやれ」という圧力がかかるだろうが、「それをやったら自民党まで沈むよ」と言えるようになるからだ。

 

 超保守派を切ることはできないが、党内のいろいろな派閥とのバランスは保てる。そんな結果を導き出すことも可能になるのではなかろうか。岸田さんに政局を自力で動かす胆力があれあればだけれども。いずれにせよ、これで岸田さんが追い詰められて解散、などということにはなるまい。

 

 それにしても、いま書店に行くと、銃撃直後にも増して「安倍さん命」の本があふれかえっている。安倍さんの亡くなったことが超保守派に与えた影響の大きさを示すものだが、ただただ安倍さんを偲び、その遺志を受け継ぐんだと大声で叫んでいる様子を見ていると、他人事ながら心配になる。

 

 安倍さんが選挙で連戦連勝できたのは、まさに自己改革ができたからだ。政権の安定のためには慰安婦問題でも踏み込むことができたからだ。

 

 それなのに、安倍さんのそうした側面を理解することもなく、超保守派としての実績だけを拝み奉る人たちだけが後継者を名乗っている。この人たちが後継である限り、「超左翼」としては安心である。

 

 勝負の来年1月まであと3か月あまり。準備を急がなくちゃ。