「自衛隊を活かす会」編で9月、この本を集英社新書で出します。サブタイトルは「ウクライナ戦争以後の日本の戦略」。本日までに著者から再校ゲラが我が家に送られてきたので(画像)、それを私がまとめて集英社に送れば、それで仕事は終わりです。いや、いろんな仕事をしているよな。

 

 5年前、「自衛隊を活かす会」の3人の呼びかけ人(代表の柳澤協二、伊勢﨑賢治、加藤朗)で、同じく集英社新書で『新・日米安保論』を出しました。今回、それに林吉永元空将補(元幹部候補生学校長・第七航空団司令)にも加わってもらいましたが、それは林さんが防衛研究所の戦史部長だったので、ウクライナ周辺の戦史にも詳しいからで、そのもくろみは成功したと思います。

 

 4月1日に座談会を実施してそれを整理しつつ、開戦後100日の時点で寄稿もしてもらいました。こんな内容です。

 

第一章 ロシアのウクライナ侵攻をどう受け止めたか—冒頭発言

第二章 新しい国際秩序は形成できるか、その条件は何か

第三章 アジアへの影響と日本が果たすべき役割

第四章 戦争を回避する日本としての国家像を考える

第五章 開戦から100日を過ぎた時点で—寄稿

おわりに 停戦協議の行方と日本の役割

 

 見ていただければ分かるように、とっても大事な問題を話し合っています。著者の見解が微妙に違っているところがいいというか、お互い「それは違うだろ」と意見を述べ、深まっていく過程も見えます。こんな難しい問題で、「これしか結論はない」ということは無理ですからね。

 

 でも大きな基本的な見方や今後の展望はそんなに違いがないから、議論が成り立つわけですね。「非戦の安全保障」のタイトルが、著者の一致点を表していると思います。戦争を起こしてしまっては、結局、深刻な結果は免れない。安全保障というのは、どうやって戦争を回避するのかが目的にならなければならないということです。

 

 22日に東京で自衛隊を活かす会の打合せ会議(呼びかけ人と私の会議)を開くことになっています。秋のスケジュールを決める予定で、参議院選挙での政党アンケートをふまえ、自衛隊の行動に関する法制をどう整備していくのか、政党に促していく取り組みをしようと思うのですが、せっかくこの本が出版されるので、記念講演会をやってもいいですね。加藤朗さんは、戦争が開始されて以降、ウクライナまで行った数少ない学者なので、そのお話も聞けますし。

 

 もちろんその際は、中継して全国で見られるようにしますね。完成した本のサイン会もしなくちゃ。