常任幹部会が推薦する大幹部とヒラの党員の二人が立候補すると想定して、克服すべき問題は大きいし、いくつもあるように見える。大きな問題が少なくとも二つある。

 

 一つは、どうやって立候補するかである。他党のように国会議員の推薦方式にするにしても、共産党らしく都道府県委員会とか地区委員会の推薦方式にするにしても、大幹部ならば、いくらでも推薦を集めることができるだろう。しかし、ヒラの党員は、現在の規約解釈の下では、所属する支部(たいていは10名前後だろう)の中でしか訴えをすることができない。別の支部の党員に推薦を求める活動をしたら、すぐに規約違反と認定されてしまうのである。

 

 だから、まず支部で多数を得て地区党会議に参加して推薦を訴えることになると思うが、会議に参加した党員は、その場で初めて党首選挙に立候補している人物がいることを知ることになる。突然10分ほどの演説で「この政策を掲げて立候補するので推薦してほしい」と訴えられても、毎日読んでいる「赤旗」と少し違うものを聞かされて戸惑ってしまい、推薦どころではないだろう。

 

 という事情があるので、国会議員や県や地区委員会の推薦方式にするのではなく、たとえば党員100人の推薦があれば立候補できるようにすべきだ。かつ一つの支部で100人の推薦を得ることは不可能なので、全国の他の支部の党員にも訴えることを規約上認めるようにすべきではないか。これは、現行規約の解釈では、民主集中制違反ということになるのだが、少なくとも党首選挙を公示し立候補を受け付けている期間は認めることにしないと、選挙そのものが成り立たなくなる。これが実現したところで、大幹部より圧倒的に不利な状況は変わらないのだけれども。

 

 もう一つは、立候補が認められて、選挙に入って以降の問題である。大幹部は、選挙に入る以前から、「赤旗」などで自分の活躍している様子も見せられるし、自分の政策を載せることもできる。ところが、ヒラの党員は同じようにすることができない。しかし、いったん選挙に入ってしまったら、候補者はみんな平等な扱いをするようにならないと、選挙の公平性が疑われることになる。だから、選挙戦の最中は、候補者の扱いは平等にするべきだろう。演説会や「赤旗」での扱いなどである。

 

 とりあえず以上。次の全国大会が招集されるときには、まとまった政策や考え方が出せるよう(10万字ほどの)、これから準備に入る。それまでは、少しおとなしくしておきます。では、また。(了)