衝撃的な(しかし想定の範囲内の)映像ばかり飛び込んでくる。日本が何をやるべきか具体的なことは見えてこないが、おそらく日本が乗り出すべき事態を迎えるであろうことは予想される。何もしないですまそうという流れが強いだろうけれど。

 

 だって、タリバン掃討作戦を20年間もやってきたアメリカとNATO諸国は、もう口を出す元気すら残っていないだろう。口を出したところで、国際社会からは少しも信用されないし、タリバンも言うことを聞かない。

 

 国連だって同じだ。タリバンを排除した国づくりという妄想をアメリカといっしょに描いて、それを推進してきたのだから、復活したタリバン政権を前におろおろするだけしかできないだろう。

 

 日本だって、それらの動きの中にいた。責任は変わらない。

 

 だけど、タリバンにとっては、日本は「恩人」のようなものだ。日本が(伊勢崎賢治さんがと言い換えてもいいのだが)責任者となって軍閥の武装解除を成功させたが故に、地方でタリバンが復活を果たしたわけである。伊勢崎さんが途中でその危険性に気づき、武装解除の速度を遅めようと努力したが、大統領選挙までに「成果」を出したいアメリカが言うことを聞かなかった(画像の本の冒頭の論考は伊勢崎さんのもので、是非、読んで頂きたい)。

 

 だから、タリバンは、日本を十字軍と同列には見ていないかもしれない。日本の言うことなら、耳を傾けることくらいはするかもしれない。

 

 タリバンは、アフガンを外国の武装勢力の拠点にすることはしないと言っているらしい。その気持はウソではないだろうけれど、広がる混乱のなかでどうなるか分からない。テレビの中でのできごととして見つめるのではなく、日本が何をやるべきか、やれるのか、真剣に考えるべきだと思う。