本日、白焼き・色校と呼ばれる印刷直前のものを印刷所に戻しまして、あとは完成を待つばかりです。25日に納品されるので、それを持って30日に大館市が主催する慰霊式に参加し、本の推薦を頂いた市長さんをはじめ、関係者にお渡ししてきます。

 

 思えば、この本をつくろうと決意したのは、ちょうど1年前の慰霊式でした。池田さんから、一度は慰霊式に参加してみたらとお誘いを受けていて、「まあ、行ってみるか」と義理を果たす程度の気持でした。

 

 でも、慰霊式で市長の言葉を聞いたり、政治的立場の異なるいろんな方々が集まって花を手向けたりしているのを見ているうちに、「これは本にしなければ」と思ったのです。だって、戦時中の中国人、朝鮮人の強制連行事件はあまたあれど、行政が今に至るまでずっと慰霊式を続けているって、この秋田の大館市だけですから。その秘密を解き明かすことができたら、現在のグジャグジャになっている日韓関係を立て直す道筋が見えるのではないかと、真剣に思ったのですね。このあたりの事情は、秋に刊行予定の『「異論の共存」戦略』(仮、晶文社)で詳しく書きました。歴史認識をめぐる保革の異論が、どうやったら共存できるのかということです。

 

 その後は一気呵成でした。3回も大館に行ってもらった池田さんはもちろん、現地のいろいろな方を引きずり回したりして、ご迷惑をおかけしました。本当にありがとうございました。