笑っちゃった。先進七カ国の首脳会議、いわゆるG7が開かれたということで、本日の昼のニュースのトップだった。まあ、それはいい。

 

 びっくりしたのは、そこで多国間主義が確認されたという報道だった。これって、トランプ時代と違って、同盟を強化したいという思惑がそうさせたと思うのだが、いまそう言われても、戸惑ってしまうよね。

 

 だって、この先進七カ国の間で、コロナワクチンの争奪合戦をしていて、多国間主義をお互いに蝕もうとしながら、言葉だけは多国間主義だと言うのだから。それを無批判に報じるメディアもメディアだけど。

 

 もっとおかしかったのは、菅首相である。相も変わらず、「人類が新型コロナウイルスに打ち勝った証しとして、東京五輪・パラリンピックを開催する」と発言したそうだ。そして、すべての首脳から支持されたと、本当にうれしそうに語っていた。

 

 人類が勝つって、その人類とはアジアからアフリカに至る全人類のことだと思うが、菅さんはその人類の勝利のために、いったいどんな構想を持っているのだろう。人類を代表して語っているのだから、その一端くらいは語るべきだろう。どうやって隅々までワクチンを行き渡らせるのか程度のことは。それを語れないで「勝った」とか、その「証しとして、東京五輪・パラリンピックを開催する」と言われても、気持ちがついていけません。

 

 コロナって、人の本性を試すよね。島根県知事に対する竹下さんの発言もそうだけれど。

 

 コロナを体験して一つだけ良かったと言えるのは、国と自治体の関係をよく考えられたことだ。民主党政権時代につくられた特措法が、自治たちの役割をそれなりに明確にしていたおかげで、自治体の長がやる気になればそれなりのことができて、政府に迫って実現するなんてことも可能になっている。

 

 せめて、こんなところは伸ばしていかないとね。