この一週間で一番悲しかったニュースは、この見出しのものだった。これは朝日新聞からとったものだけれど。

 

 今年の春、脱北者団体が37度線近くで、北朝鮮の政治体制を批判するビラを風船につけて飛ばしたが、それに北側が反発し、韓国政府に同様の行為を禁止する法改正を求めていた。そうしないと南北関係を断つみたいなことを言って、南北共同事務所を爆弾で破壊したのは記憶に新しい。

 

 今回の法改正は、その北朝鮮の要求をそのまま受け入れたものだ。北の政治体制を批判するビラを北朝鮮に向けて配布したり、拡声器で呼びかけたり、韓国の映画や音楽を散布したりすると、なんと「3年以下の懲役または3千万ウォン(約285万円)以下の罰金が科される」(朝日新聞)という。

 

 脱北者が北朝鮮の政治体制を憎く思い、まだ家族や友だちが残っているから何とかしたいと考え、行動に打って出るのは自然な行為である。行為に出ないほうが不自然だ。

 

 それを禁止することで達成しようとする「友好」って、どこに意味があるのだろうか。そもそもそれを「友好」と呼べるのか。自国の国民の権利、言論の自由を奪い、ある場合は懲役刑にしてまでも、その「友好」を達成したところで、誰が喜ぶのか。

 

 北朝鮮との友好が難しいのは分かる。でも、金大中の太陽政策も、その後の北風政策も、結局「友好」を確立するには至らなかった。それなら、もっと腰を据えてかからねばならないだろう。ましてや、自国民の権利を侵すようなやり方で事態を打開するなど、もってのほかと言うしかない。

 

 何といったらいいのか。オマエ、最低だぞ、という感じかなあ。脱力感というものかなあ。まあ、安倍さんや菅さんも同じようなことをして、「いや、内心の自由は侵していない」と言ってきたから、似たようなものと言えばそうなのだけれど。

 
 明日から2日間、お休みを取ります。ブログもお休みかな。ヒマだったら書きますけれど。