広告掲載を許可するかどうかは本を読んでから決めると、「赤旗」から広告制作会社に連絡があったことはお伝えしたが、昨日の紙面で広告が掲載されていた(画像)。『安倍政権は「倒れた」が「倒した」のではない—野党共闘の可能性を探る』の本のことである。

 

 大きなスペースを使って制作したものを提出してるのだから、見落としたということではなかろう。本を読んでみて「合格」となったのか、やはり事前検閲のようなことは止めておこうという常識的な結論になったのか、どちらかは知らない。広告制作会社にも何の連絡もなかったそうだし。

 

 まあ、そういうことで、少なくとも「赤旗」の読者に絶対に読ませてはならない本だ、といいうことにはならなかったのだろう。読者のみなさん、安心してご購入ください。

 

 実際、共産党が推し進める野党共闘を少しでも実りあるものにする上で、それなりに大事なことを提起しているつもりである。立憲民主党に対しても共産党に対しても。

 

 核兵器禁止条約が発効することが明確になって、枝野さん、「日本が一日も早く批准できるよう積極的に取り組んでいくべき」と述べている。だけど、今年の広島で枝野さんは、「どのような条件が整えば批准に向かえるか、国会で与野党が真摯に話し合うことを提案する」と述べていた。「一日も早く批准」と言っても、条件を整えた上での批准ということになると、条件が整わない間は批准しないことになる。鳩山政権のトラウマが残っているからだろうが、真剣に日本の軍事戦略を考えているというなら、新しいアプローチが必要なのである。

 

 共産党は、政権としては安保と自衛隊を認めるが、政党としては認めないというダブスタをどう克服するかが焦点である。政党として認めないということになると、じゃあ選挙区において、安保と自衛隊を認めることを公約する立憲の人を、安保と自衛隊は有害だという認識の共産党として推薦することはどうやって可能になるのだろうか。それ一つとってみても、現状でなんとかなるというものではなかろう。

 

 2015年に突然野党共闘政権路線に踏み切った共産党とはちがって、20年以上はその視点でものを考えてきたものとして、それなりの蓄積はあると少しは自負する。旺盛な議論が巻き起こることを期待したい。