いやあ、びっくり。11年ぶりの復活である。

 

 私が書いた『安倍政権は「倒れた」が「倒した」のではない——野党共闘の可能性を探る』だが、「赤旗」19日付に広告を出そうとしたら、広告制作会社の担当者より、「赤旗」から「19日付への掲載は見送りたい」との連絡があったとメールで知らせてきた。メールによると「赤旗」が言っている理由は以下。

 

 「本がまだ確認できていなかったそうで送ってほしい」「その後、判断させていただきたい」

 

 本の内容次第で判断するということだ。このやり方って、出版社にとっても不満が出るものだが、「赤旗」にとっても得策ではないということで、ここ10年ほどはやられていなかった。

 

 だって、「このページのこの記述があるから広告は出せない」となったら、「じゃあ、そこを黒塗りすれば出せるのか」「言われるとおりに直せばいいのか」ということになる。つまり、検閲につながっていくようなやり方で、共産党はそんなことをするのかと思われてしまうやり方からだ。

 

 私が共産党を退職したのにはそれなりのいきさつがあったから、当初、そういうやり方がされたのは仕方がない面があった。広告を出してくれた雑誌の編集部に対して、雑誌が出た途端、河邑重光出版局長(今年亡くなられました。ご冥福をお祈りします)からお叱りの電話があり、事前に中身を見てからということになったそうだ。

 

 だけど、当然、そんな制度は長続きしなかった。この間ずっと、私が書いた本であっても、事前の点検などされず、何の問題もなく広告は掲載されてきた。私の本ではない本で掲載されなかったものは多々あるが、それも中身の事前点検ということはされずに、それぞれ別の理由があったのだ。

 

 私の記憶にある限り、最後に事前点検があったのは、11年前。『理論劇画 マルクス「資本論」』を出した時だった。『資本論』については共産党が万能の解釈権限があって、間違ったものは出せないということだったのだろう。

 

 

 だけど、結果は問題なしということで、広告は掲載されることになる。剰余価値をこれほど正確に描いた本はないから、当然である。広告部の人からは誤植まで指摘してもらって、めでたしめでだしだった。

 

 さて、今回はどうなることやら。まあ、掲載拒否されたほうが話題になって売れるという法則的な傾向があるので、どちらに転んでも商売としては構わないのだけれど、共産党にとってはそれが特なのかという問題はあるよね。

 

 ということで、発売は来週末ですが、アマゾンでは予約発売中です。弊社弊社サイトでは先行発売中です。この経過と問題点は随時ご報告していきます。