先週の土曜日は京都の本社でインタビューを受けていた。以前ここでも書いたと思うけれど、「古賀誠『憲法九条は世界遺産』」みたいなタイトルで映画をつくる話があって、コロナ禍で中断していたのだけれど、安倍政権が終わるタイミングにあわせて世に問うことに意味があるのではと再開され、急ピッチで進んでいるようだ。

 

 その映画に私が出演するんですよ。といっても、インタビューに答えるだけですが。

 

 撮影の合間に話題になったのが岸田さんの動向。本日の各紙で報道されているけれど、麻生派や谷垣グループとよりを戻して大宏池会をつくる動きがあり、関連して麻生さんが嫌う古賀さんを外すかどうかという話になっているそうだ。それが古賀さんが宏池会の名誉会長を辞任するというニュースにつながっている。

 

 そりゃあ、この3つの派閥がいっしょになるなら、一挙に100人になり、細田派を抜いて最大派閥になるでしょうよ。だからこそ、「大宏池会」なんて言い方も出てくる。

 

 だけど、それって大宏池会というよりは、宏池会の終焉になるのではないだろうか。この間の経過を見ていると、そう思う。

 

 岸田さんって、安部さんから総理の座を禅譲してもらうため、加憲案賛成に舵を切ったことで大きく変わった。いや、別に自民党だから、改憲でいいんだけれど、総理になりたいがために信条を変えたわけだ。

 

 そして、ただ政治信条を変えるだけではなく、政調会長として先頭に立って、地方で加憲案推進の集会を開いていった。後戻りできないように自分を追い込んでいった。

 

 この時点で、もう、宏池会と呼んでいいのかという状態である。その上に、麻生さんに近づくために、古賀さんとおさらばするかもしれないというのだからね。そんな派閥、恥ずかしくて宏池会の看板をかけられないよね。

 

 政治信条を変えるだけではないというのは、そのことだ。お世話になってきた人を切る時点で、良質な保守の心まで裏切ることになる。まあ、古賀さんはたんたんと受け止めるのだろうけどね。