杉田水脈さんの「女性はいくらでも……」発言。当初、下村政調会長の「口頭注意」で、「真意が伝わっていない」路線で幕を引こうとした。「政調での自由闊達な議論をしていきたい」というのは、政調メンバーの中に杉田発言をチクった人がいることを批判したものだったのだろう。

 

 しかし、結局、発言の事実だけは認めることになった。これって、どう考えても、自民党政調の中に、杉田発言をテープなりに収めていた人がいて、事実を認めないなら流出させるみたいな局面が生まれていたのだろう。

 

 杉田さんの「女性はいくらでも……」発言がテレビで、ナマの声で流れることになったら、とんでもないことになる。それで一転認めることになったというのが、容易に想像できる道筋である。

 

 これまでしばらくの間、極右路線はイケイケだった。安部さんは誰が何を発言してもおとがめなし。だって、極右発言が目立てば目立つほど、安部さんが穏健に見えて、中道からも支持が回ってきたからね。

 

 だけど、今回の顛末を見ると、自民党の中にも変化のきざしがあるのかもしれない。杉田発言を不問にしていると、かえってそれぞれの自民党議員への支持が減っていきそうだという不安が生まれているのではないか。だから、それなりの勇気?を持って、下村に反旗を翻した人がいたわけだ。

 

 杉田さんの辞任を求める署名が急速に広がっていて、一方、愛知県知事の辞任を求める署名は尻すぼみ。学術会議の会員任命拒否も、政権にとっては思わぬ波紋を広げているようだ。

 

 いま効果的に闘うことができれば、強権・極右路線にたそがれをもたらすことができるかもしれない。がんばりどきかなあ。