東京に来ています。ちょっと緊張度が高まっていますけれど。

 

 仕事が忙しくなりそうなので、ここしばらくの間、自分の本の執筆に専念していました。地位協定の本です(もう一つの『「異論の共存」戦略 実践記』は、明日、某出版社の企画会議にかけられます。通れば年内刊行)。

 

 すごく順調で、もう15条まで書き終わりました。地位協定は28条なので、半分を過ぎたということです。とはいえ、第1条では、まだ軍属の定義について調べていることがあって、一部書いていませんけれど。

 

 好調の理由は二つあると思います。一つは、逐条的に書くことは紙屋高雪さんのお勧めで決めて、それだと単調になるのではと心配していたのですが、行政協定を地位協定に改定する交渉にあたっての日本政府の要求一覧が見つかり、日本政府はどういうところを大幅に変えようとし、どこは変えなくてもいいと思っていたのかが分かったため、逐条的だけれどダイナミックな要素を加えることができたことでしょう。

 

 もう一つは、私が年をとったことかなと感じます。昔なら、逐条的なことを書こうとすると、どんどん深みに入っていって、細かいことにこだわったと思います。いまは、「そこは読者の関心から外れるだろう」とか、「政治的に見ておかしいだろう」とか、何十年の体験を通じて分かることが積み重なっているんです。

 

 はい、とはいえ、次が難しい16条です。日本の法令の尊重義務を定めたものですね。それに続いて17条。そうなんです、裁判権が続きます。

 

 ここは、新しい発見があるわけではありませんが、学問的にたくさんの蓄積があるので、それをどう整理するかがカギになると思います。ここを抜けたら先が見えてくるので、夏の間には書き終えて、出版社を探すことになるでしょう。

 

 どこか、関心のある方がいましたら、声をおかけください。全部で15万字くらいの厚手の本になる予定ですが、そのうち資料が4万字です。